刀鍛冶の日々

温度

 降し金時の楢炭の温度は1100度。溶けて玉鋼に成っている温度は1250度と温度計に出る。テスターを使って流れる鉱滓温度は1200~1300度。
 この温度はたたら製鉄でも同じであり、近代製鉄の融点よりもかなり低く、赤目砂鉄ではまだ低い温度で溶け出す。刀工にはこの知識は必要であり、日刀保たたらの様にアルミナを含まないので鍛伸性に勝れ、砂鉄によればタングステンも含むので、日刀保玉鋼よりも粘り、高温でも日刀保玉鋼の様に砕け飛び散らない。
 近代製鉄の様に鏡の如く光る地金に刃文が有るだけの刀なら、まだ新々刀が面白い。「折れず 曲がらず 良く斬れる」日本刀の使命を忘れ、刃文だけの刀造りは何時迄経っても古刀に近付けない。古刀は刀の原点を見つめて実用性を求めたので、その過程に於いて美術性が生まれたのである。
 故今泉先生の教えを守り、修行を続けて来たが、未だ専業でその技術を受け継ぐ弟子が育っていない事だけが心残りである。後何年待てばよいのか。
 自らの作刀出来る時間の短くなって来た事は、確実に体力の落ちた事である。
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