刀鍛冶の日々

包丁鍛錬

 午前中は包丁の鍛錬を済まし、火造り迄を終る。
 天気予報では明日雨と出ているので、粘土を仕入れてたたら炉を塗り直し、たたら炭を夕方迄切って明日の操業に備える。
 最近は各方面より業者の製作依頼が有るが、手持ちの注文が12月迄有るので、引き受ける事が出来ない。
 いくら頑張っても一日一本が限度で有り、これ以上体力は続かない。
 一生懸命に造り、出来た事を電話しても、手紙を出しても返答が無いのが一番辛い。
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半日出勤

 2日間に造った玉鋼をベルトハンマーで切断して、明日よりの包丁製作に備える。
 4~5日前に東海地方よりの刀の注文に、焼入れをして、内面応力を抜いていた刀の姿直しを済まし、午後は明日よりの一週間の予定を考えながら、たたら製鉄で疲れた体を休むる。

2回操業

 朝4時、たたら炉送風開始。5時20分砂鉄投入始め、10時30分炉を解体、9キロの玉鋼が出来る。
 再び炉を塗り直し、砂鉄中の鉄分85%含有の砂鉄を混合して、30キロの砂鉄投入。午後4時、炉を解体して15キロの玉鋼を得る。
 たたら製鉄は各地の砂鉄分析内容が異なるので、歩留りが大きく違って来る。そして操業方法でも歩留りが違い、工学的知識と経験回数が物を言う。
 使った砂鉄は50種類に及び、やっと納得のいく地金が北國産砂鉄により出来て来た。この自家製鉄の技術を早く弟子に受け継いで欲しいと思っているが、残念ながら唯一人として居ないのが寂しい。

混合比

 体力的には、まだまだ折り返し鍛錬が出来ないので、朝6時20分にたたら製鉄炉に炭を入れ送風開始。
 九州、中國、北國砂鉄を同等比率でブレンドするが、出る鉱滓が硬くて炉底から流れ出ないので、ノロかき棒で4時間に亘り鉱滓を掻き出したので疲れ切る。砂鉄30キロ投入で、9キロの硬い鋼が出来る。
 各砂鉄の分析表を見て配合するが、配合の比率によって操業は大きく異なる。こんな事は工学博士でも全く未知の世界である。
 どれだけ多くの製鉄回数をこなしたかが操業を大きく左右する。今日、埼玉県の菊池君も30キロの砂鉄を投入して、やっと2キロ弱の鋼しか出来なかったと電話有り。

回復

 2日前に倒れた事を思い出せば、低血糖症に熱中症が加わった為ではなかろうかと思える。今日は体調も良くなり、午後から炭切をして明日のたたら製鉄と見学会の用意をする。
 春入門した弟子も生活環境が変わったせいか昨日から不調で、今日は我が家の2階で1日寝ている。弟子のアパート迄歩いて2分の距離であり、朝夕の食事は我が家で摂るし、妻が看護婦なので看病も出来るので助かる。
 女性の弟子は初めてであり、戸惑う事も多々有る。

倒れる

 5月中旬発送としている包丁製作が遅れているので、早朝の早出をして朝8時迄に1本素延べを済まし、2本目に入った時から意識が薄れ、大汗が出て下着3枚を替える。それからは寒くなり毛布を着て寝る。
 意識が薄れて力が抜けて動けなく、午後2時整体の先生が来た時は何とか動けて治療を受ける。「疲れ過ぎているので仕事はしないで休んだ方が良いです」と言われる。救急車で運ばれると2~3日は入院になるので、それだけは避けたかった。

連絡の疲れ

 昨夜包丁の研ぎが終ったので、明朝1番に送る連絡をしていたので荷造り発送。
 もう一人の注文者には2日続けて包丁が出来た旨を伝言をしていたが返答が無いので、包丁が出来た事を手紙でポストに投函。昼間の作業より包丁連絡が精神的に疲れる。しかし約束通りの月日に出来た事を感謝されると嬉しいものである。
 刀造りの合間に包丁を造るのも、体力的に厳しくなって来たが、秋11月迄は受注しているので何とかやり遂げたい。
 今朝は包丁発送後、振替休日で休んで寝る。

休日出勤

 早朝より包丁4本分を鍛えるともう体力の限界。それでも夕方、日独の交流事業で独人8人と通訳の方が来所されるので、折り返し鍛錬を見せるのに使う鋼を鍛える。平田君が私の包丁を研いでくれたので鍛錬が出来た。
 昼間は暑くて鍛錬が出来なく炭切。岩手産松炭に比べて岡山産松炭は軟らかくて燃焼が早い。この炭で独人の方々に折り返し鍛錬を見せた。
 平田君が居るので無料公開を続ける事が出来、外國人の方々には大変喜ばれているが、この先何時迄続ける事が出来るであろうかを思う。

 午前中の雨は雨脚弱く何とか包丁2本を研ぎ上げる 
 午後は雨強く空は真っ黒で、包丁の研ぎは困難を極める。視力の落ちた目では刃先が見えず、紙を切って斬味を確かめながら研ぎをする。包丁に銘を切ると包丁が曲がるが、暗くて修正が出来ず、明日天候が良くならなければ、曲がり直しと研ぎが出来ない。
 宗近君が注文者には毎月中旬頃と返信をしているが、集中して包丁を造らず、刀製作の間を見つけて造るので、月初めから月終り迄の間に順次送る方法で返信をしておくべきだった。毎月中旬が近付くと包丁の事が気になり胃が痛む。
 包丁造りも潮時かと思っている。現在の注文が終われば、新弟子に包丁を造らせ弟子銘で包丁を世の中に出せる様に、弟子の名前も決めている。女性で玉鋼の包丁を世に出すのも彼女が初めてとなるだろう。

東都へ帰省

 夜中に料金の安い深夜バスで東都に帰るので、今日は見学にして疲れない様にする。
 夜の勉強会はバスの便が有るので8時に早退。それでも皆さんに私の最後の弟子が女性である事を知って頂き、御付き合いが始まる。長い日本の歴史を勉強して、大和心を持った真の女性刀工となって欲しい。思う心を歌に表し、その精神を刀に表す事を願っている。
 刀工修行の二人三脚は、自ら砂鉄で玉鋼を造り「折れず、曲がらず、良く斬れる」日本刀維新に生きる一門でありたい。
 外國製砂鉄や近代工法の電解鉄では刀が折れやすい。刀鍛冶が造る砂鉄は一体何処から来た、どんな成分の鋼であるか、鋼の組織はどんなものかを刀工は知らなければならないと思う。刀造りは日本産の砂鉄を以て、鍛伸性の有る鋼が最上である。
 深夜高速バスで東都に弟子は帰るので、その間は一人になるので、早出して仕事を進めたい。

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