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刀鍛冶の日々

3月終わる

 3種類の砂鉄混合鋼に、地肌が良く出る北國産鋼を混ぜて下鍛え完了。余分に鍛えた鋼を包丁にして完成。斬味は最高。
 午後は神奈川県より注文者来所。お話と、折り返し鍛錬を見て頂く。注文が多いので、順番は2年後を納得されて注文書を頂く。
 今夜は弟子が車を運転して、東都より明日帰る事になる。無事故を祈っている。
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故障

 日中の暑さを逃れて早朝の早出は気持ち良く鍛錬も順調に進んでいたが、急にスプリングハンマーが止まる。万事休す。モーターの漏電で取替をしなければならない事になる。3年前にも有った。
 日立のモーターの時は故障が30年以上無かったが、三菱のモーターに替えて5年間に3度の取替となる。
 今弟子は平田君しか居なく、一人で脇差の向槌はしんどいので、電気屋さんと機械屋さんに修理を頼み、イタリア人の観光客の見学の用意にかかる。
 夕方早めに仕事を止めて眼鏡屋さんに目が痛むので、赤外線防止の眼鏡を求むが紫外線防止は有るが赤外線防止は無いとの事。包丁と違って刀の地金鍛錬は、長時間火を見るので目がぼやけて痛む。
 東都より弟子が帰る迄は

脇差開始

 71歳、第一作の脇差鍛錬開始。祓詞を神棚に奏上。
 3種類砂鉄混合の鋼に北國産玉鋼を詰み沸かして5回鍛えを2個鍛えると昼となり、これ以上は熱くて体力が続かず、午後は2日間使用する炭切。最近は体調も良く、硬軟の鋼もうまく纏まる
 夕方は妻と二人で遊歩道で花見。月も出て最高。弟子の父上から71歳の誕生日に沢山の綺麗な花を頂き有難う御座いました。
 後3日もすれば東都より、取り合えずの荷物を積んで母上と共に弟子も帰る。無事故で帰れる事を祈っている。
 明日はイタリアから、明後日は神奈川県から来客。4月は寿包丁体験会も2度有り、外國よりの予約も有り忙しくなる。仕事も沢山有るので、弟子も体験して技術も向上する。
 

71歳

 元気で71歳を迎える事が出来た。父上、母上の元に生まれた事を感謝し、目の病気、頚椎の病を乗り越えて鍛刀に励む事が出来る事を、金屋子の大神様と安部宮司様に深く感謝する。近所の桜も満開となり誕生日を祝ってくれる。
 弟子も留守なので早出して10俵の炭切。30日にイタリア人が通訳と来所されるので、降し金を纏め、折り返しの用意。
 梃の修理と梃台を造り、北國産玉鋼の硬い部分を水べしをして、積み沸かしの用意で終る。鍛錬所内は室温50度超えで送風機とスプリングハンマーのモーターを氷で冷やしながらの作業。下着も3回着替え、鍛錬所は一足早く夏来る。
 仏國のテレビ撮影日が刀の登録と重なり中止となり、これで撮影準備がいらなくなり4~5日分の手間が省ける。
 弟子も東都で満開の桜を眺めている事か。

 昨日の疲れ残るも鍛冶場にて、餅鉄ナイフ3本を研ぎ上げて発送。
 昨日やっと開花した桜も3分から5分咲きとなる。昼静かな遊歩道に座り、青空に咲き出ずる桜を見ながら一人冷たき缶ビールを飲む。
 西行法師も本居宣長も桜を愛した。散り際の良さが日本人の感覚に合う。長きに亘り地金を追い続けた花は、咲くのが遅くやっと花咲き、散ろうとする年になった。
 残った人生、散る前に今一度弟子を残して最後の御奉公としたい。今日で70歳も終り、明日よりは71歳。日本男子として散りたい。
      歌三首
   ⑴日の本の    桜眺めつ      歩き道
       振り返ぬれば    懐かしくあり
   ⑵咲き出ずる   桜眺めつ      飲みだせば
       若かりし日の    父を思いて
   ⑶散る前に    残すべき弟子    行く道を
       考えぬれば     神に祈りぬ

長き一日

 朝5時の目覚めと少し遅いが、急いで鍛錬所で砂鉄投入。昼には炉を解体。25キロの砂鉄で9キロの鋼を得る。
 前々回は炉内が1400度で銑鉄となり、降し金の手間が入ったので、今日は最新のレーザー温度計を使い温度調整を行い、上手く北國産砂鉄を纏める。
 炉解体後、直に九州産砂鉄を投入。25キロの砂鉄で12キロの玉鋼を得る。午後は操業後で炉が熱く歩留りも良かった。
 休日に朝早くから家を出るので、やはり弟子が居ないと無理をすると妻に言われる。
          歌三首
  (1)ごうごうと   炎は高く   炭燃ゆる
      砂鉄撒く手も   しばし休むる
  (2)吹く風は    瀬戸内からの   南風
      鍛冶場にも   夏迎ゆる風よ
   (3)諸々の    花咲きいずる   この庭に
      遅き春の日   ながむる桜

来所

 午前中に餅鉄のナイフを火造り、焼入れ。
 楽天の三木谷社長の母上より、米國人の見学に一緒に来所される電話。到着迄ナイフの荒研ぎを済ます。
 三木谷社長の御子息も同行。7年振りの再会。随分と成長されていて英語で刀製作工程を説明して下さる。
 伝習所の跡継ぎが居なくなる事をずっと心配されていたが、やっと今年卒業の女子が入門した事を母上にお話しする。
 引っ越し準備で昨日帰省したので紹介出来なくて残念で有った。

帰省

 脇差の反り直しと中心の焼き戻しを見せながら説明。
 午前中に餅鉄の鍛錬。初めてスプリングハンマーで打たせて昼食。12時過ぎに東都より母親が来所して弟子と友に帰る。歩いて2分の所に引越して来る為に、荷物纏めをして1週間後に車を2人で交互に運転をして岡山に帰る。
 僅か1週間共に過ごしただけなのに、もう何年も生活を共にした様に思われ急に寂しくなる。
 子供より孫が可愛いと言われるのが良く判る。朝、昼、夕食を共にして早出、残業を無くして規則正しい生活に初めて戻る。
 教える弟子も居ないので、修業時間は十分有る。もう一人同性の弟子が入門すれば、励まし合いながら初の女性刀工が誕生するのだが。
 免許を取って3ヶ月余りなので、事故の無い様に無事故で帰って来て欲しい。

焼入れ

 昨日の火造り後の内面応力は抜け、刀身にも曲がりがないので直にせん、やすりがけを見学してもらう。
 午後はフランスからの取材の打ち合わせ後、土置き、焼入れ。小さな湯船を使ったので、元に一寸程水影が出る。これで良いかとも思うが、再度土置きをして刀用の大きな湯船で焼入れ、最初より刃文の出来は良く安堵感に浸る。
 弟子に初めての焼入れを失敗無く見せる事が出来た。弟子であっても見られていると緊張するものである。
       弟子の一言
    親方でも緊張なさるのだなと。

脇差火造り

 午前中は昨日のたたら製鉄の後片付けを済まし、スプリングハンマーで荒素延べ、手打ちの仕上げ打ち。
 午後は2時間余りをかけて火造りを弟子に見せる。今日は右手の痛みと痺れも幾分和らぎ、何とか緊張しながらの1日を送る。
        弟子の一言
  中々に大変そうだ。

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