刀鍛冶の日々

大晦日

 昨日の続きで包丁6本の下研ぎが終わる。斬味は良いが焼き戻しが難しく、少し手こずる鋼である。
 洋鉄の刃物鋼の様に均一でないので、水温や焼温度を調整して、上手く焼き戻しが出来れば十分使用出来る砂鉄である。夕方料理に使う。斬味は良い。正月休みに研ぎ上げたい。
 今年も一年元気で刀造りが出来たし、人生これ以上望む事は無い年であった。
スポンサーサイト

弟子の本分

 4日間で10本焼入れをした包丁を、ベルトサンダーで荒研ぎ。
 午後は手研ぎにかかる。明日夕方迄に研ぎ上げて、柄付けをして今年の包丁製作を終り、新年は注文刀製作の予定。
 今日もふる里納税の返礼包丁3本が入る。忙しいので、これ以上は無理。
 包丁の鋼も後少しとなるので、山本君がたたら製鉄で玉鋼を造る。親方の御役に立つ弟子の気持ちは有難い。親方の役に立つ事が弟子の本文である。
 今回分けて頂いた出所不明の砂鉄は良い玉鋼となったので、斬味は頗る良い。
 宗近君がお餅をついて沢山持参したので、神棚2ヶ所、ハンマー2ヶ所。火床2ヶ所に御供えをして一年の感謝。
 鍛冶場には平田君の出したゴミが50ℓ缶に一杯溜まっているので、山本君が始末する。最後迄跡片付けが出来ない。

応援

 「弟子も居なく一人での仕事は大変でしょう」と言って、最古参の山本君が応援に来てくれた。もう弟子となって30年以上経つが、私の様に個性の強い親方でも師弟関係は続いており、人間関係も一番信用が出来て空気の様な存在である。
 山本君は「親方の年齢でこれだけ元気で、現役を続けている人は居ません」といわれるが、心は何時も「赤心報國」の赤き心で、民族の魂を打ち続けているからと思う。
 目の病気や頚椎の病も有ったが、神様の御蔭で持ち直し、本気で刀に命を懸ける弟子をもう一度育てる気になった。注文も目白押しとなり、少しでも余力を弟子に向けたいと思っている。
 振り返れば苦しい中を弟子の為に随分と尽くしたが大半は辞めた。要は志の問題である。
 今日も包丁3本を鍛え焼入れて、日暮れを迎える。

平田君の事

 今日は包丁3本焼入れて、夕方炭切。
 平田君は東京に帰る。言うべき事は沢山有るが、今迄辞めずにいたので、来年の六月位迄もう少し貯金をさせて手離す。
 その頃には独立資金も十分で、土地を買い鍛冶場建設も出来る。
 武者修行に出て、技術と精神を磨くも良しと思っている。

今日も

 昨日と同じくオーダー包丁2本を造る。夕方の炭切は余りにも寒いので、合羽を着て明日の鍛錬用炭を切る。
 今日は次々と来客有りて、落ち着いた沸かしが出来なかった。
 年末迄は頑張って包丁の注文を少しでも追いたい。

快調

 昨日の温泉効果か、今日は体が軽い。6寸と7寸の文化包丁2本を、朝から昼迄鍛えて火造り。
 午後は土置き、焼入れ、曲がり直し、砂鉄選鉱。明日使用の炭切迄進む。28日より弟子も帰省するので一人仕事となる。
 元々一人で始めた刀鍛冶。独立して刀工を続ける者と、辞める者と今年は二分した。本人の意思なのでそれはそれで良い。
 過ぎた今年の事は忘れて、来年入門の弟子が刀工試験に合格する迄の事を考えなければならない。月に2回位は温泉に浸かり、元気でなければ弟子を育てる事が出来ない。
 来年からは週に一回の休みは、どんな事があっても絶対に休まなければ、刀工生活も体力的に続かない。
 弟子入門は、その弟子の人生を預かる事になるので大変であるが、親方と弟子との真剣勝負である。火花の散らない修行であってはならないと思う。
 「男児 志ヲ立テテ 郷関ヲ出ヅンバ、死ストモ帰ラジ」の気持ちで入門して欲しいと思いながら、刀工生活の締めくくりとしたいと思っているが、寿命は神様しか知らない。
 それでも最後の弟子が独立する迄長生き出来る事を、金屋子神社の大神様に無理な御願いを祈っている。

休日の温泉

 今年初めて3日連続のたたら製鉄で造った玉鋼3個を、12分割したので右手、右肩が痛み雪降る中を温泉に行く。
 帰路先輩の入所している施設に立ち寄り帰宅。

今日で3日目

 たたら炭を変えても炭素量はそれほど変わらない玉鋼である。歩留まりは同じく25%。
 何とか太刀と短刀一振り分の材料を確保。春迄に包丁と刀、脇差を打ち終えてから試作に入りたい。
 3日続けてのたたら製鉄で疲れ切るが楽しかった。

玉鋼造り

 来客予定の米國人が風邪で来所出来ない事を通訳の方より連絡有り。折角たたら炉に火を入れ余熱をかけていたので玉鋼造り。
 安綱の活躍した伯耆の國の安山岩の中で見つけた砂鉄を頂いたので吹く。昨日は炭素量の高い鋼であったが、今日は炭素量が少し低い。使った炭の火力が問題と思われるので、明日は炭を変えて同じ砂鉄を吹いて見たい。
 研究に値する砂鉄であるが量が少ないのが欠点。何とか太刀一振り分の玉鋼が出来ればと思う。

見学用意

 明日は米國より通訳付きで4名の見学が有るので、朝からたたら炉塗りとたたら炭切、折り返し鍛錬用炭切で早めに仕事を終る。
 折角日本に来たのだから、砂鉄で玉鋼が出来る場面から見学してもらった方が感動すると思う。

 | HOME |  »

FC2Ad

プロフィール

上田

Author:上田
FC2ブログへようこそ!

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

訪問者