刀鍛冶の日々

信念の継続

 昨夜の大雨で一日涼しく、皮鉄と心鉄の造り込み迄完了。
 これで秋迄、刀の鍛錬はしなくて済みそうである。注文の刀は2月に弟子が一人前に成るのを前に辞めてから、一人でずっと造り込み迄進めて、夏は火造り、焼入れ製作が出来る様に、注文順に揃えている。
 常々残ってアルバイトをしている平田君に、何時迄も包丁ばかりを造っていては、包丁鍛冶にはなれても刀鍛冶にはなれないので、刀を造れと2日前に言った。入門11年で短刀一振りを登録しただけである。今年は刀を六振りは造れと言ったところ、七振りは造りますとの返事で有った。
 仕事が終わった帰り際「弟子が欲しいのですか?」と尋ねたので、「38年間に渡り時間と鉄、炭を無料で与え、刀工資格を14人に取らせたが、誰一人として専業の刀工は居ない。弟子それぞれに事情は有るが、入門した時の信念を持ち続ける事、努力、工夫が無いので、刀造りの伝統を守る者が居ないので、民族の魂を本気で守る新たな弟子を取る以外無い」と言った。
 私は折れず、曲がらず、良く斬れ、尚美しい日本刀を、日本産の砂鉄で造る刀工を残したいので、老骨に鞭打って、弟子を再度育てる事にしたのである。
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曇天

 今日も天気予報に反して雨は降らず、蒸し暑い。昨日と同じで下着を取り替えながら鍛錬は進む。
 今日の鋼は砂鉄の混合をしていないので、膨れも出なく調子良く終る。明日で皮鉄も終る予定。
 研師宅に下研ぎの終った短刀を受け取りに。
 海外在住の日本人から入門希望有るも、30代とは遅すぎる。せめて20代半ばの、刀と心中する位の志の有る若者と出会いたい。
 故今泉俊光先生から習った自家製鋼を、次の世代に受け渡したい。伝習所を卒業しても、金銭的に独立出来ないのが現状である。
 その前に技術的問題も有り、一層の努力と工夫を要する

続く鍛錬

 朝6時より午後2時迄、折り返し鍛錬は続く。蒸し暑く下着を4回も着替え、汗は流れて止まぬ。着替えも無くなり、もうこれ以上は体力的に無理である。面倒を見る弟子もいなく早朝出勤、早退の繰り返しの日々。
 夜明け前、あれ程降っていた雨も止み、午後は青空となり暑い。雨が1日降り続けば、涼しく鍛錬は進むのだが、老いた体は疲れ果てる。
 しかし精神は一歩たりとも下がらず、鍛刀意欲は極めて高し。

休日明け

 昨日はリュックを背負い傾斜45度の斜面を上下したので、今日は体中が痛む。
 さすがに今日の鍛錬は無理なので、明日よりの皮鉄鍛錬の炭を昼迄切る。月平均80俵の炭を使用しており、弟子の居た時より炭の使用量は増えている。
 午後はふる里納税の返礼注文に備えて、包丁を研ぎ体を休める。年も70歳を過ぎたのでゆっくりと思っていたが、今、新たに入門希望者も現れており、最後の最後の弟子を育ててみようと思っている。
 卒業した弟子達も中々芽が出なく、気長に待つ訳にもいかなく、本気で刀に取り組む弟子を一人でも多く育てたい。
 「赤心報告」の誠に尽きる。

砂鉄

 外國産砂鉄は、匂い出来傾向で、沸出来には成りにくい。又外國産鉄鉱石及び粉末も同じであり、匂い出来に成り易く、近代製鋼も焼入れをすると匂い出来になる。
 日本産砂鉄もマグネタイトとヘマタイトに別れ、地域の地層により砂鉄も分かれる。焼入れ温度が低いと匂い出来。高いと沸出来。と言う事はなく、匂い出来に成る砂鉄と、沸出来に成る砂鉄は生まれながらの性質である。
 今日は定休日であるが、1年2ヶ月通ってやっと匂い出来に成る砂鉄を手に入れる。

鍛錬

 昨日見学会で使った玉鋼は炭素量が高く少し硬いので、今日は九州地方の砂鉄を混入した玉鋼と合わせての鍛錬。
 昨夜の大雨で日中は涼しく、夕方5時30分迄鍛錬は続く。やっと梅雨空になり曇り空、気温は低いが蒸し暑く扇風機3台とスポットクーラーを使いながらの一人仕事。
 今日は少し疲れた様で食欲も無く、お茶漬けで流し込む。

見学会の一日

 朝5時より包丁焼入れ。6時より鍛錬を開始して昼迄続く。
 丁度平田君がアルバイトが休みなので、刀用の砂鉄をブレンドしてたたら製鉄をし、午後1時解体をして見学者に見せる。
 その後、展示場で日本産砂鉄の製法と製作工程の説明。私が横座に入り平田君が向槌。イタリア等から外人3名と日本人6名。希望者は向槌を打ち、記念撮影。外國人には、とても喜んで頂き、楽しい1日が夕方迄続く。
 外人見学の場合は殆どが日本人女性と結婚して、日本に里帰りの時、日本の伝統技術を見学に来る。私の刀と短刀を見て頂く。
 最近は日曜鍛冶の弟子も出席が悪く、刀も包丁も製作が止まっている。弟子も去る者は去ったが、平田君は住み込みでアルバイトを続けながらも、刀工を続けているので、土曜日午後からの見学会には協力をしてくれるので助かる。

準備

 朝5時より中心仕立て。展示場の掃除等をして、見学、来客に備える。
 7年前に販売した包丁が研ぎ直しに届き、研ぎ直して送る。
 午後は炭切をして、明日の折り返し鍛錬用と包丁の焼入れ用意をして、午後3時今日の仕事を終る。
 入梅以来、1日雨が降っただけで連日長船町は暑い。

銘切

 下研ぎに出していた短刀が出来たので、中心仕立てと銘切を済まし、再び研師宅にはばきと白鞘の工作を依頼。
 明日からは刀の鍛錬を再開予定。一人三役をこなさなければならず忙しいが、親方が苦労をしている時に、弟子の平田君が時折手助けをしてくれるので、何とか伝習所は維持されている。

テレビ放映日

 入梅以来半月ぶりに昨夜から雨が降るので、昼過ぎ迄たたら製鉄をして包丁用地金を造る。
 夕方にはOHKテレビで「残したい瀬戸内遺産 備前長船の日本刀 受け継がれる歴史と技」と題して岡山県、香川県向けに伝習所が紹介されるので、午後2時本日の作業を終える。

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