刀鍛冶の日々

心鉄完了

 午前中に心鉄20回の折り返し鍛錬。鋼の炭素量が高ければ鍛錬回数を多くして脱炭させ、折り返し回数を多くする事によって鍛接断面を多くして、刀の折れを防がなければならない。皮鉄の炭素量が少々高くても心鉄に粘りが有れば、刀は絶対に折れない。
 現代刀の玉鋼はアルミナを含み鍛伸性が無いのに、皮鉄鍛錬15回程度では粘りはでない。おまけに心鉄は折り返し回数を少なくしている。刀が使う時代を終り、見るだけの時代になりつつある現代、刀工の思考も変化している。
 伝習所で折角小型たたらによる玉鋼造りを沢山の弟子に教えても、只一人たりとも専業の刀工として生活出来る者は居ない。
 今日も一人で心鉄を鍛えながら、故今泉俊光先生から習った小型炉による自家製鋼の火が消える事を心配している。自身青年期は生活に困りながらも、刀造りは絶対に止めなかった。正月から年末迄、火床の火を絶やす事なく打ち続けた。
 そこには民族の魂としての刀が有った。そんな気持ちの有る青年に出会いたいものである。
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皮鉄完成

 先帝昭和天皇の御誕生日。私の人生前半は昭和時代に有り。伝習所にも國旗掲揚して昭和を懐かしむ。
 午前中に皮鉄完成。炭素量も高いが粘りの有る鋼で、製鉄方法とたたら炭の影響と思う。心鉄は降し金を使用中であるが、炭素量が高過ぎる銑鉄に近いので、明日はたたら製鉄の柔らかい鋼を混ぜて炭素量を下げる。
 午後は2時間程大雨となるが、軒下で明日の炭切。見学会はベルトハンマーを使って折り返し鍛錬。
 平田君は休日で35キロの砂鉄で12キロの鋼を造る。

独立38年

 刀工認可38年を迎える。
 5時起床、神拝、朝食、鍛冶場へ。
 下鍛えを終り、上鍛えを半分迄進める。鍛錬方法を変えた為か、鋼の沸きが良く予定以上に進む。後半日あれば皮鉄が仕上がる。
 午後は涼しい日陰で明日の鍛錬用炭と、見学会で使う炭を沢山切り揃える。右手の痺れは残るが、首の痛みが無いので炭切も楽になる。一人仕事は全て一人でしなければならなく大変忙しいが、独立当時を思い出して懐かしく楽しくなる。
 夜も連絡や、返信の書き物等が多く疲れて寝るので、勉強が出来ないのが残念。梅雨迄の午前中はまだ涼しいので、注文刀を少しでも優先して進めたい。

鍛錬は続く

 奉納用予定玉鋼3個を見比べて、炭素量の一番高い第一回目の玉鋼を、奉納する事と決定した。
 これで心置きなく刀の地金鍛錬へ進む。体力的には昼迄の鍛錬が精一杯であり、無理をすると連日の鍛錬が出来ない事になる。
 性質の違う玉鋼を鍛えるのは楽しい。その砂鉄の特徴により、沸き具合や膨れの有無、鋼の粘りが違っている。日本産砂鉄は炭素量が高くても、折り返し鍛錬が出来る鍛伸性が有る。外國産砂鉄は日本産砂鉄に含まれていない物質が含まれているので、鍛伸性も劣り実用性にも劣る。そんな玉鋼で刀を造るのだから、刀が折れて当然である。
 自家製玉鋼を造る事は大変難しくて、先例が少ない事である。伝習所の弟子はたたら製鉄で玉鋼を造る事は出来るが、経験が少ないので中々刀にならない。
 私も年間30~50回位はたたら製鉄を行い、地金の研究をするが面白くて仕方が無い。その成果を今日も鍛錬で一人楽しんでいる。
 午後は明日の鍛錬に備えて炭切。炭の配合と鍛錬方法を変えて、ずっと鋼の下鍛えをしているが、暑くなる迄に5振り程の刀を素延べ迄進めておけば、夏にも楽な火造り、焼入れ迄出来て注文にも応える事が出来る。
 一人仕事になっているので、1週間毎の予定書きを作って順調に進んでいる。

奉納玉鋼終わる

 今朝は少し遅く4時に神拝、祓詞後送風開始。11時送風停止、たたら炉解体。3日間で3個の玉鋼製作。形としては今日の玉鋼が1番良いと思っている。明日ワイヤブラシで磨いて仕上げたい。
 刀工生活も終わりに近ずいているが後少し現役を続けて、昭和、平成の御世に生きた証を残したい。弟子達も私の元気な内に、私の仕事を見直して技術を高めて欲しい。
 何時迄も親方はいない。たたら製鉄にしても日々進歩はしている。何時迄も同じ場所には居ないと理解して欲しい。「春の連休だ」と人並みに休む事なく、連休だから伝習所で技術を磨いて欲しい。
 今日の製鉄で炭は無くなったが、明日は炭が入荷する。鍛冶場は空いているので、たたら講習会も準備出来ている。

休む暇無し

 午前中包丁2本の研ぎ、梃首3本の製作、梃台2口の製作。
 午後はたたら炉解体と塗り直し。明日は雨で涼しくなるので予定変更をして、夕方迄たたら炭切と降し金3個を造り、これで連休準備は完了。
 明日は瀬戸内市よりふる里納税の返品として、日本刀包丁を出す為の話し合いが午後に有るので、早朝よりたたら製鉄を行い、奉納玉鋼3回目の製作に入る。

玉鋼造り

早朝3時、一人で朝食後鍛冶場へ。昼たたら炉解体。玉鋼は昨日より一廻り大きいが、玉鋼の上部面がくぼみ、品質は良いが見た目が見劣りするので、昨日の玉鋼を奉納候補とする。連休明け奉納なので、追加の炭が届けば2度程製鉄を行えば、もっと良い玉鋼が出来るかも知れない。
 刀の注文は正副二振りを造るが、奉納玉鋼は神様に奉納なので、製鉄の神社に相応しい玉鋼にしたい。
 2日間に渡る早出操業は体力的、精神的に大変疲れたので、明日は刀の鍛錬と包丁研ぎで体を休めたい。性格的に仕事をしていなければ落ち着かない様である。

玉鋼造り

 早朝4時30分、神前に祓詞を唱えて送風開始。5時30分砂鉄投入始め、12時投入終り、12時30分炉解体。8.5キロのやや小振りで纏まった玉鋼が出来る。
 続いて炉の塗り直しをして、夕方迄明日の炭切。
 明日もう1個玉鋼を造り、出来の良い方を奉納して、残りは記念に短刀か包丁を造りたい。
 専業刀工一人と寂しいが後少し頑張りたい。

包丁焼入れ

 早朝より包丁鍛錬、焼入れ2本。午後は見学会を終り明日のたたら製鉄用の炭切を終える。そして午前中の焼入れをした包丁を、ベルトサンダーで荒研ぎ。傷も無く一安心して後日の研ぎとする。
 早朝の早出と残業、少しも休まる時が無いが急ぎの用を済まし、明日は気合を入れて奉納用の玉鋼に取り組みたい。今夜は早く寝て、又早朝に早起きの予定。

春の祭典

 5箇條の御誓文発布の日、金屋子神社は満開の桜で春が一番綺麗である。
 禰宜の御子息から正月以来の罪と穢れをお祓い頂き、心身共に新しき命の甦りを感ずる。93歳になられる安部宮司様の祝詞奏上後に玉串を捧げて、我が身、自らが魂串となって、民族の魂を打つ続ける事が出来ます様に赤き誠を捧げる。
 金屋子神社は鉄の神様である。禰宜様より自家製たたらの玉鋼を分けて頂きたいとの御言葉。刀工としては金屋子神社に玉鋼を奉納出来る事は大変名誉な事であり、一生一代の誉である。
 先日たたら製鉄の用意も終わっており、4月23日に操業予定をしていたので丁度良く、万全を期して後代に残る玉鋼を造りたい。

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