刀鍛冶の日々

前期たたら終わる

 天気予報に反して雨は降らず、蒸し暑くたたら炉の羽口掃除は熱気で熱く手が痛む。 昨日の大雨で、野積みにシートを掛けたたたら炭は濡れていて火力は上がらず、玉鋼は9.5キロ止まり。今日で予定のたたら製鉄を終える。
 明日からは暑く気温も30℃を超えるとの事で、溜まった包丁の注文に入る。1日で鍛錬を終えて、2本の包丁造り予定。梅雨が明ける迄が勝負。М君も会津に帰り、平井さんも受験中のけがで休んでおり、谷口君が炭切りをするので、一人で気を遣う事なく仕事ができる。
 私の鍛冶場は煙突から雨がしみて炉が湿っているので、炭火を入れて乾燥させ明日の鍛錬に備える。炉内に水分が有ると、鋼に毛割れが出るので要注意。狭い鍛冶場は連日50度越えとなるが、真夏よりは幾分楽である。
 夕方にはイスラエル人がたたら製鉄を見学。流暢な日本語を話すのは、日本の大学に留学をしていた為である。生まれて初めてのイスラエル人訪問で、イスラエル人の御守りを頂く。
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火山系砂鉄

 岡山県南部の大雨は今日、明日で終わり、後は曇天の蒸し暑い高温日が続く予報。
 早朝も大雨。М君の技術指導をした谷口君も手が空いたので、2人で火山系の砂鉄を吹く。
 短刀と包丁で既に経験をしているので、火力の強さに注意。最初に松炭を使い炉の温度を上げて、後半は雑木炭を使用。流れ出る鉱滓温度も通常よりも低く、1100~1200度と思われる。粒状化して落ちる鋼の粒は直径3ミリと非常に大きく銑に近い。
 40キロの砂鉄で有りながら、小さな玉鋼。溶解が進んでいる様で11.5キロの高炭素鋼。炉を解体後明日に備えて炉を塗り直し、秋迄の備蓄用の最後の鋼造り用意。
 包丁の注文も多いが、多量の刀用玉鋼在庫が有るので、包丁へも脱炭させて転用出来るので、たたら製鉄は秋、涼しくなる迄はしない。
 秋迄は土、日の午後よりの古式折り返し鍛錬も体力が落ちたので中止しているので、鋼は余る位ある。
 会津のМ君も夜行バスで帰り、夕方5時15分自宅に着いたとの電話有り。

包丁弟子終了

 昨年5月に会津より、包丁弟子としてМ君が入門。
 今日、全ての行程研修を終えて故郷に帰る。仕事場の建設も有り、本格的操業は来春位と思われる。日本に現在無くなった江戸期と同じ包丁造りの技術が、東北に根付くかもしれない。楽しみである。
 刀工試験も14名合格させたし、包丁鍛冶も1名残した。これで伝統技術の後継者育成も全て終わり、明日よりは自分だけの刀造りに戻れる。
 帰宅途中、研師宅に短刀を研ぎに出す。

山もも

 昨日に続き今日も梅雨の間の晴れ間。
 膝が痛むので砂鉄視察は中止して、庭にたわわに実った山ももをもぎ取る。岡山県では山ももの木は少ないが、高知県では多く高級果物である。
 故郷高知で過ごしたほろ苦い頃を思い出しながら、4.5升程の熟れた実を集める。後日ジャムにしたい。
 6年前、終の棲家として転居した時に、50cm程の木2本を植えたものが、今では3メートル程に伸び枝を広げる。
 毎年梅雨の頃に、実を採り故郷を味わう。

後継者

 朝脇差の姿直しと中心の焼戻し 。たたら製鉄の釜土を買いに行くが、休日で入手出来ず。
午後は小野市より職人さん達一行が訪れる。何処も鍛冶屋さんは後継者不足の様である。生活必需品の弟子に入れば、生活も安定した職人さんになれるが、刀鍛冶の弟子は、親方も厳しく、伝統工芸は時代が違えば難しい。本当に好きな者でないと、刀鍛冶を続ける事は難しい。

脇差焼入れ

 暗き早朝、目覚めて今日の脇差焼入れについて考える。
 午後やすり、せんかけの終わった刀身に、互の目に足入りの土置きをして焼き、小互の目丁子を焼く。
 鋼の製作が安定して来たので、大体の仕上がり刃文は判る様になる。
 明日のグループ予約で見せる卸し金の用意も出来ているので定時に終了。

包丁10本目

 早朝大雨の天気予報なので、6時たたら炉送風開始。(会津のМ君が9本目と10本目の包丁を鍛えたので、包丁用鋼の在庫は品切れ) 今日は平井さんが砂鉄投入、私が炭入れで10キロの鋼を造る。
 夕方にたたら炉解体後、М君が包丁に土置き、焼入れ終わる。3.4日程研ぎの練習をして会津に帰る。
 1ヶ月程谷口君がМ君に付き添い技術指導。年齢差は谷口君が1才上だが、刀工資格を持っている分貫禄が違う。
 日中の大雨で今夜は涼しい。これからせんねん灸を体中に据えて治療。現代医学ばかりでなく、つぼを刺激して治す東洋医学にも頼り、弟子が独立出来る技術が付く迄元気で居たいし、製鉄の研究も続けたい。
 今、新しい砂鉄による鋼の試作中。弟子に時間を割かれないので助かる。

短刀焼入れ

 身幅広目の出生記念の短刀に、大きく乱れた丁子足の入った刃文を焼入れる。流石、新玉鋼の感度。5月製作の短刀より出来は良い。
 研師宅で小振りの短刀が仕上がり、週末には展示。
 平井さんが製作工程を見学して、刀工としてのスタートに立つ。腰の調子が良くなればたたら製鉄をして、第一作目の鋼造りに入りたい。
 М君は首が痛むので谷口君が包丁鍛錬。明日は帰省前最後の火造り。一ヶ月間講習も後4日となる。
 平田君は包丁の研ぎと全員忙し。

残鉄で試作

 昨日の短刀を午後からせんかけ、明日の夕方には焼入れをしたい。
 短刀は二振りを造り、残りで小型包丁1本を造り、М君が焼入れ。今迄のどの包丁より感度は良く、明日短刀の焼入れに際して土置き、焼温度、水温の状況参考にする。
 注文短刀は三振り出来ているが、新玉鋼で今迄の作域と違う短刀を造って、次の注文刀の参考にしたい。
 帰宅時研師宅へ昨年最後の注文刀を研ぎに出す。女性の御守り短刀として造った五寸少々の短刀も、明日夕方には研ぎ上がる状態で、刃文も良く出来ている。
 私の刀は長船刀剣博物館館に出品しているので、展示場には私の刀が無くて淋しかったが、週末には見学予約者の皆さんには見て頂ける。
 刀工生活の中では一番小振りな短刀製作であるが、女性用としては可愛い嫁入り短刀として気に入っている。

岡山松炭品質落ちる

 夜半に雨音に目覚め、今日は雨が降るので鍛錬も楽だと思っていたが、朝、雨は上がり蒸し暑く、10時過ぎやっと短刀を鍛え、素延べ迄進む。
疲れたので平田君が、午後は短刀の火造り。М君は包丁の鍛えも終わり火造り。送風調整期を使ったので、焼入れも調子良く上がる。もう会津へ帰ってもよいが、首の調子が悪く整体の先生に見てもらっているので、27日迄包丁造りをする。肩の調子も良いので火造りも上達する。
 昨日入荷した岡山産松は炭に成っていないので、木材と同じで燃えて直ぐに崩れ役立たず。入荷検査はサンプルを使うだけなので、使い物にならない炭が多量に混入していても判らず。持ち込み量が20俵の時は良いが、最近続けて25表となると一気に質が悪くなる。生産者も売るだけで品質管理が出来ていない。

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