刀鍛冶の日々

5月終る

 谷口君が折り返し鍛錬をしてМ君に鍛接温度を見せる。もう5ヶ月も離れていたので忘れていると思ったが、そうでもなく梃付けも上手にこなす。
 5月には短刀三口を造り、今日纏めて仕上げる。明日6月からは脇差造り。毎日が忙しく過ぎる。
 刀工試験も今日より始まる。最終的に受験者は11名。今日最初の炭切で受験生が手を切り、病院へ行ったとの事。こんな事は考えられないのだが・・弟子修行の成果が問われる。
 1年に1度の試験だが今日も真夏の暑さ。文化庁も寒い時期に試験が出来ないのだろうかと思う。何時迄も日刀保と文化庁が対立していては、刀工社会も二分断され受験者も迷惑する。
スポンサーサイト

М君再び

 朝短刀を研いで膨れを取る。
 会津よりМ君が包丁造りの修行に再び来るので、それ迄たたら製鉄をして6月の脇差用玉鋼を造る。
 夕方には平井さんが全日本刀匠会主催の研修会を終えて立ち寄り、今年の受験者は12名と言っていたが9名らしいとの事。
 たたら製鉄の終った後にМ君が5ヶ月振りに訪れる。明日からは又賑やかになる。少し離れていたので、沸かしの温度も忘れていると思うので、明日は谷口君の沸かしを見学させる。
 普通の包丁鍛冶は、刃物鋼を買って包丁を造るので材料は手に入るが、日本刀包丁は砂鉄を集めての古代製鉄なので、砂鉄の入手が難しく思われる。太平洋側は原発で汚染されているので東北の磁鉄鉱(餅鉄)を集めるしか方法が無いと思う。他には外國の鉄鉱石砂鉄を購入して、玉鋼を製造している企業も有る様である。
 1ヶ月程伝習所で修行するので、材料の入手先も考えねばならないが、昨年積み残した仕事を先ず進める。
 本日は炉の予熱が無かったので、砂鉄40キロで玉鋼10キロを造る。

短刀焼入れ

 午後からせんかけの終った短刀に土置き。暗くなるのを待って焼入れ。
 刃文は申し分の無い出来で有ったが、研いでいると空気を噛んだ膨れが刃の中に出る。地金が単一の砂鉄であれば膨れも出ないが、多種の砂鉄を混合しているので鍛錬時の鍛接が不十分。
 明日の休日出勤でもう少し研いで、膨れを破れば膨れが消えるか、傷となって残るかは五分五分である。

研修会始まる

 以前は島根県に有る日刀保玉鋼製造工場内で、刀工と刀工受験者の為に涼しくなった9月下旬に研修会が行われていたが、文化庁と日刀保が喧嘩をして日刀保の会場を使用しなくなり、暑くなった5月下旬から6月上旬にかけて、文化庁が長船町の刀剣博物館を間借りして刀工試験を行っている。
 今年は受験定員12名の枠一杯が刀工資格を目指して応募。本職の刀工でも暑さを感じるのに、もう少し涼しい10月頃に出来ないものかと毎年思う。
 弟子が夕方電話を寄こして、今年は女性も参加しているとの事。 もし合格すれば本格的な初の女性刀工となる。こんな男ばかりの刀工の世界にも女性が進出して来た。
 奮闘を祈りたい。

弟子育成

 伝習所は各地から沢山の弟子が修行に来て、刀工試験を受け合格後から数年かけて独立する。弟子は技術の問題、建設地の問題等が有り、独立は皆年数が異なる。しかし試験に関しては4年以上の経験を有する。文化庁は弟子の期間が短いので、試験は刀でなく脇差を造って評価。
 他の刀工は弟子が殆どいないので弟子は5年間程みっちりと修行出来るが、伝習所は弟子が多くトコロテン式に押し出さなければ後の弟子がつかえる。今回刀工試験を受ける平井さんも先に受験者の谷口君が居たので、谷口君が合格する迄は手伝いと見学が多く、谷口君が合格した後、毎日本格的に刀造りに励んだのは2年間。それでも他の刀工弟子よりは修業時間も多い。
 谷口君が最後の弟子と決めていたが、平井さんがおまけの弟子となった。今日の脇差火造り練習で5年間の全てが終わり、やっと自由の身となる。しかし刀工資格を持ちながら、鍛冶場建設未定の弟子4人もいるので、彼等が自分の鍛冶場を持ち独立出来る、後数年は元気で居たい。
 明日から3日間の研修会後、刀工試験が始まる。合否は努力、工夫の結果である。体調に気を付けて臨んで欲しい。
 短刀の火造り終る。

短刀荒素延べ

 谷口君が鍛錬時に使用する稲藁焼きから炭の補給、膨れの切り取り迄手伝ってくれたので作業は大いに進み、短刀二口分の素材が出来、昼迄に荒素延べ迄終る。
 多数の異なる鋼を使用していたので、鍛錬中に2個、素延べ中に1個の膨れが出て、谷口君が削り取る。切断用鏨で切るよりは、削り取る方法が良い。
 しかし午後は腎臓結石と思われる痛みが出たので、作業中止で病院へ。2年前も刀工試験の直前に結石で即手術となった事を思いだす。

会津М君用に

 谷口君が来週月曜日より会津のМ君が再び包丁造りの修行に来るので、朝からたたら製鉄で鋼造り。
 私は短刀の折り返し鍛錬を2回行うも、肩の痛みと右手の痺れが激しいので中止して、砂鉄投入に加わり夕方には10キロの玉鋼を造る。
 М君は1ヶ月程か、長くても梅雨明け迄谷口君の指導で包丁造り職人を目指す。今日の鋼で8本位の包丁材料となる。

中心仕立て

 刀二振りの銘を切る中心をヤスリで仕上げる。右手にヤスリ、左手に定規を当てヤスリ目を入れる作業が1日続く。
 昨日河原で磁石を持って砂鉄をくっつけて離す事を数時間も続け、指の関節の折り曲げをしたのと、温泉で入浴した成果が出て固まった手の指が調子よく動く。
 月2回程はゆっくりと温泉に入って、無理をしている肩と腕を休めなければと思っていたが、受験生の事も有り十分に休養をとれなかった。来週からは講習、受験となり全てが片付くので体を休めて作刀に励みたい。

温泉へ

 土、日曜の早朝よりの鍛錬は肩と腕に相当こたえた。これ以上悪化させると仕事が出来なくなるので、鳥取県に有る温泉に入浴。両肩の痛みは和らぐが、右手親指の痺れが強く肩より痺れる。
 市内を流れる天神川で右手、左手交互に磁石を持ち替えて砂鉄をくっつけて指の関節を曲げ、延ばして機能回復訓練。再び入浴して筋肉を和らげる。
 帰宅後は御灸を全身にすえる。

猛暑

 早朝より暑く、弟子達の寝ている時間帯から昨日と同じく鍛錬開始。
 来所者は多いが、弟子達に対応を任せて打ち続けるも、昼迄が肉体的限度である。
 午後は見学予約者に古式折り返し鍛錬を見せて終わると夕方迄は疲れて動けず。こんなに早く夏が来たかと思う。

 | HOME |  »

FC2Ad

プロフィール

上田

Author:上田
FC2ブログへようこそ!

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

訪問者