刀鍛冶の日々

包丁体験会

 関西方面より御夫婦が来所して包丁体験会。一日仕事で仕上げて持って帰るのは少し厳しいので、前もって玉鋼を4回下鍛えをして準備。当日体験者と弟子3人で向槌を使い、古式折り返し鍛錬と横座の体験。午後は火造りと土置き、焼入れ。長船刀剣博物館で刀の見学をしてもらっている間に研ぎ上げる。
 全國の鍛冶屋さんの包丁体験会は、仕入れの刃物鋼を包丁の型にして焼入れをした包丁で原価は極安価であるが、当方は砂鉄から玉鋼を造り、松炭を使い、折り返し鍛錬をした江戸時代と同じ方法で造るので、原価は高くなるが耐用年数100年を思えば安いと思う。まして一日かけて自分で造った包丁の喜びは大きい。
 中小企業庁から優良企業として選ばれて初めての体験会で、人生の思い出に残る一日であった。
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分散仕事

 平田君は夕方迄たたら製鉄で玉鋼14キロを造る。
 谷口君は脇差の鍛錬を始める。
 私は朝方寿包丁の下鍛えを済まし、一昨日に火造りを終えた刀の棟の線と、刃の線をヤスリで仕上げるも、岡山産の松炭で火造りをしたので、材木と同じ樹液が刀に染み付いて削り取るのに苦労する。階下で火を使っていて、2階の仕上げ場は暑くて使えないので、刀の焼入れに備えて火床を新しく塗り直す。
 今週中にせん、ヤスリかけを終り、4月の金屋子神社参拝後に焼入れをする予定。

たたら製鉄

 朝5時、鍛冶場で炭になっていない材木同様の燃える松炭を切断してたたら炉へ。古墳時代の製鉄は炭ではなく木材で、低温還元していた事も発掘調査で一部判明している。前半は炭になっていない岡山産松を使うので、炎は高く燃え上がるが火力が無いので、粒状化して落ちて来る砂鉄は小さい。
 後半岩手産の炭に切り替えると、羽口の前に落ちる砂鉄は真白になり炉底へ。操業6時間30分。玉鋼は10キロと少し小さいが、高炭素で良く締まった出来。
 午後は私の素延べをした包丁2本を、午前中に谷口君が火造りをしてくれたので土置き、焼入れ。
 平井さんは日刀保玉鋼を焼入れした、脇差の姿直しをするも刃先が大きく欠ける。原因は玉鋼に粘りが無い事である。今泉先生が陸軍受命刀工時代に使っていた靖國玉鋼と比べると、日刀保玉鋼は品質的には大きく落ちるのが実態であるが、使った事の無い若い刀工は、戦前の玉鋼を知らないので評価出来ないと思う。

休日出勤

 昨夜は神経の痛み止めを飲んで寝たので、肩、腕の痛みは治まり、刀工試験を受ける弟子の指導で休日出勤。
 昨日火造りが終わり内面応力を抜く、焼きなましをしていた刀を朝見ると、刃先が所々曲がっているので、刀が冷えている生の状態で、手鎚で叩いて直す。午後は右手が痺れて又痛み出す。
 明日は痛みで右手が使えないだろうと思い、左手で作業が出来るたたら製鉄を行う事にして、炉に予熱炭を入れて用意。

苦労の松炭

 スペイン人2名と通訳1名、それに米國人と日本人の5名の見学会。時間も有るので向槌を体験し、大変感動して頂き終る。
 今日は朝より刀の火造り。岡山産の松炭は炭になっていないので、木材の様に燃えて火力は無く、最低の品質であった。
 明日、岩手県産の松炭が入荷するのを待ち遠しく思う。

疲労の一日

 余りにも疲れたので今日はのんびりと砂鉄と砂の選り分け。注文に応じた刀を造るのに砂鉄のブレンド。
 午後はたたら炉を解体して塗り直す。準備も出来たので雨が降れば、何時でもたたら製鉄が出来る。先日焼入れをしていた注文の小包丁2本を谷口君が研ぎ上げる。
 明日はスペインから通訳付きで、古式折り返し鍛錬の見学予約が有るので炭を切って用意。
県内産たたら炭の釜開けが出来た連絡が有り、2週間後160俵入荷予定。岩手県産炭の請求書は届くが松炭は本日届かず。
 3月末と4月初めに寿包丁の体験会が控えているので、休日は準備で休めそうもない、

再考

 昨日の膨れについて目覚めた時から考えていた。膨れは全て切り取り、鋼の沸かしも終わっていたので、駄目元で造り込みをした方が諦めもつく。もし刀身に傷が出れば傷の無い所を取って、短刀か脇差に造り直すのも一考と思い、造り込みを谷口君に見学さす。
 幸い造り込み時の膨れも出なく、ベルトハンマーで二尺三寸迄荒素延べをする。折り返し鍛錬時に膨れが出ると刀にも傷が出る確率は高いが、絶対とは言えない。諦めず最後迄頑張って見る。

膨れ

 午後は谷口君が見学。
 午前中に異なる鋼を鍛え、三段積みにして纏める。鋼が違いすぎるのか折り返す度に膨れが出て、谷口君が万力に挟み鏨で切り破る事を三時間も繰り返す。流石に今日は参った。 よく考えれば火力の弱い岡山産松を使ったので、沸きが弱く膨れを噛んだ事も考えられる。
 平田君も包丁を半日鍛えるも、松炭が崩れ、粉が多く出た様である。包丁の材料は小さいので何とか沸いた様であるが、刀の鋼は材料が大きいので、火力不足とも思われる。
 明日からは全て岩手県産松で、新しい鋼を使って鍛え直す事とする。岩手県産松は後2日分ある。週末か週明けには岩手県産松炭も入荷の予定。
 出来上がった刀には、それぞれの苦労が思い出されるものである。

鍛錬続く

 鍛冶場の温度計は40度。朝から夕方迄スプリングハンマーを打ち続ける。谷口君も1日鍛錬に使う炭を切り続ける。 夕方には疲れ切り汗で濡れた下着を着替える。
 かくして今日も終りぬ。

一人仕事

 休日で弟子の面倒を見なくて良いので一人鍛錬。既に地金の玉鋼は16キロ用意しているので、昨日より鍛え続ける。
 岡山産の松炭に比べて岩手県産の松は火力が有り、鋼の沸く時間が早いので少しの時間も目を離す事が出来ないが、折り返しは早く進み、鋼の中に含まれる空気も早期に膨れとして出るので処理も楽である。
 一人だと何も気にしなくて良いので、調子良く鍛錬は進む。

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