刀鍛冶の日々

予定変更

 日曜日に弟子のたたら製鉄の予定で、今日はゆっくりと骨休めと思っていたが、夕方着予定の岩手県産たたら炭が朝1番に到着したので、弟子のたたら操業の指導と折り返し鍛錬指導の両方を見なければならなく、平日以上に忙しくなる。
 それでも日暮れには砂鉄5種混合の大きな玉鋼が出来、刺身包丁の注文で鍛錬していた弟子の地鉄も出来る。
 来客も多く、展示していた私の刀を気に入って下さり、今日も刀の注文を頂く。
スポンサーサイト

三日間

 せん、やすりで刀身仕立てを終ると右肘が激痛。何とか納期に間に合う。来週は続きの後二振りの仕上げを行う予定。弟子の面倒を見なければこんなに早く作刀は進む。
 平田君が復帰したので平井さんの脇差工程のアドバイス時間が浮き、谷口君も包丁の研ぎと祐敬君の面倒を見てくれるので作刀に専念出来る。この三日間は大変楽しく過ごせた。
 週末は刀工資格を持った弟子五人が出席するので、来客の対応に当り見学予定。

刀身仕立て

 朝の仕上げ場は室温10度と寒くなり、初めて石油ストーブを入れる。ゆったりと一人きりの仕事は落ち着く。
 夕方には平田君が包丁2本を研ぎ上げ、火造り直しがされた包丁を谷口君が焼入れ。祐敬君の土置きと異なる刃文は焼入れ温度によるものと思われる。
  それでも少しづつ弟子の手が離れて、私の刀造りの時間が多くなるので助かる。
 昼で二振りの刀身仕上げが終わり、午後は中心仕立てに進む。

弟子の火造り

 祐敬君と平井さんに私の鍛えて置いた包丁4本を火造りさす。私は2階の仕上げ場で、10月に焼入れした刀二口、短刀二口のヤスリ仕上げに今朝から入る。夕方に2人の火造りを見て、明日谷口君に打ち直しを指示。
 私も忙しくて、自分の包丁を研ぐ時間も無いので、手の空いた平田君に応援を求める。
 地金は全員同じで有るが、包丁の刃先のカーブや、焼入れ温度、焼き戻し温度で斬味も違って来る。包丁の手打ち火造りが完璧に出来ないと、刀の火造りは出来ない。打ち抜きの包丁は洋鉄なので鉄の値段は安く削って造るが、和鉄包丁は材料代が高いので、折り返し鍛錬で鋼を減らさない事と、火造りで余分な肉を付けて削り落とさない事、これが出来ないと採算が取れない。厳しい玉鋼包丁造り。
 高い材料を無駄に削らなくてすむ火造りが早く出来る様になって欲しい。

祐敬君初たたら

 昨日の休みに仕事をしていたのは祐敬君のみ。
 研ぎ上げた包丁は良く斬れる。今日は焼入れた刀の仕上げを行う予定であったが、たたら製鉄に使う炭が1回分残っていたので、予定変更で急いで炉の解体、塗り直しをして操業開始。3時迄砂鉄投入を6時間続ける。砂鉄35キロで玉鋼8.5キロを得る。
 会津に帰っても自家製玉鋼を造る事が出来なければ、日本刀包丁は出来ない。たたら製鉄での鋼は炉に使う釜土を注意しなければ、鋼の中にアルミの酸化物であるアルミナが入り、硬くて粘りの無い鋼になる。包丁にも刀にも不向きとなる。刃物鍛冶も刀鍛冶も殆ど知らない事である。
 ちなみに刃物鍛冶の使う鋼は外國産鉄鉱石で炭素鋼を造り。目的に応じて他の物質を混合した合金であり、決して日本産砂鉄をたたら製鉄で造った玉鋼ではなく、これを以って日本刀は造れないし、日本刀包丁も造れない。
 短い修業期間で金属学迄は学べないが、体験を通して身で覚えて欲しい。
 10月は120俵のたたら炭を使い切り、夕方岩手県へ注文する。

休日に

 弟子達は休みなので疲れ取りに一人で温泉へ。1時間の入浴は初めてだが、首と肩の痛みを感じなくなる。
 車で30分も下ると日本海の荒波が砂浜に砕けて散る。
 アメリカ人二人がさかんにシャッターを切っている。きっとアメリカでは見る事の出来ない景色なのだろうと思って声をかける。返事は日本語で返る。
 この場所は観光地でもなく、時折釣人が訪れる白砂青松の原風景の残る地。忙しい毎日の疲れが遠のく。

寿包丁体験会

 体験者の帰り時間に合わせての工程は、絶対に失敗が許されなく緊張の連続。伝習所6人、体験者3人で夕方4時半に終る。
 ネットでの包丁注文は1ヶ月以内と時間的余裕が有るが、寿包丁は結婚式の日時も決定しているし、当日に持ち帰るので時間的にやり直しは出来ない。 プロとアマの合作なので常に失敗が付き纏う。1日が終れば数日分の疲れが出る。
 それでも若い二人にとって記念の包丁になれば幸いである。

焼入れ準備

 祐敬君の鍛えた地金を2本の包丁に素延べして、祐敬君と平井さんに火造りをさせる。2本共に重ねが厚く身幅が不足するので、午後はスプリングハンマーで重ねを頃合いに、身幅を広くして焼入れの用意。
 注文者は一人だが体験会は三人出席なので、土置き、焼入れは1本では都合が悪く後2本を用意する。疲れたので今日は終了と思ったが、弟子に宿舎の階段の溶接修理を頼まれて夕方迄手間取る。
 本当に疲れた。

М君快調

 昨日М君初の包丁が成功したので、気分を良くし私のたたら製鉄の横で朝から包丁の鍛錬。僅かの期間で沸かしを覚え他を驚かす。見ていてまぐれではないかと思うが、何時も沸かしの温度が合っているのでそうでもなさそうである。平田君がМ君の2本の包丁を研ぎ上げる。中々良く出来ているので少し早いが私と彼の名前を取って「祐敬」の包丁銘を与える。

オーバーワークの一日

 日曜日に東京から包丁体験会に3人の参加者が来所予定なので、午前中に下鍛えをして準備。
 谷口君とМ君に見学をさせて、昼前に降し金を2回して纏める。
 午後は昨日焼入れの刀を姿直し。たたら炉に予熱をかけ、М君の造った包丁2本に焼入れ。ベルトサンダーで日暮れ直前迄荒研ぎ。傷も全く無く初の包丁が出来る。炭と鋼の材料代を引けば、まだ採算は取れないが、もう少し練習をして炭代を少なく、短時間で造れる様になれば、日本刀包丁鍛冶として生計が成り立つ。文化包丁を卒業すれば刺身包丁、出刃包丁と学ぶ事は沢山有る。
 平井さんも平田君のアドバイスでやっと脇差の火造りが出来る。火造り注意点を頭の中に入れて本気になれば出来る。平田君は優しいので、私より聞き易いのだろう。

 | HOME |  »

FC2Ad

プロフィール

上田

Author:上田
FC2ブログへようこそ!

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

訪問者