刀鍛冶の日々

体験入門

 福島よりの青年は1週間伝習所へ体験入門して、自分の生き方を決める事とする。伝習所は満員であり私の負担も大きいが、24歳と若い青年が伝統文化の担い手として頑張れる手助けとなるのであれば、多少の無理もと思うが御互いを見つめる時間も必要である。
 今朝は5時よりたたら製鉄で良く纏まった玉鋼を造って見せる。今年30回目の記録。右肩・右腕の痛みと痺れは続く。
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見学

 福島よりのN君は朝より菊池君の秋田餅鉄使用のたたら製鉄、石原君の折り返し鍛錬、金沢君の火造りを共に見学して1日を終わる。夕方にはたたら炉を塗り直し明日の私の砂鉄によるたたら製鉄を見学の予定。
 インターネットで私の事を知り遠くより訪問されたが全國には有名な刀工も多い。私は私の思う刀造りをしているだけである。今夜は伝習所に泊まり弟子達と種々話している事であろう。ホームページでは私の事は余り判らない。プログ「刀鍛冶の日々」には私の生き方が綴ってあり、プログを見ていないので2日程の接触で急いで人生を決める事は早計ではなかろうかと思われる。
 一度しかない人生再三、再四考える事も必要。外は雨垂れの音がする。その音を聞きながら私も私の人生を省みて最終地点を思う。

包丁造り

 朝7時より梃直し、8時より私が鋼を沸かし谷口君が鏨で切り、折り返し二人の共同作業で昼迄鍛錬は続く。
 昼前に突然福島県より青年が伝習所のホームページで日本刀包丁製作を知り、訪問して夕方の包丁焼入れ迄を見学。伝習所に泊まる予定であったが布団が無いので私宅で泊まり、明日たたら製鉄と包丁造りの見学予定。
 来週より無理のない範囲で刀造りを始める予定なので、包丁で沸かしの勘を確かめる。

中心仕上げ

 香港と米國より見学予約が入っているので、谷口君に返信を頼み2階で中心仕立てをする。温感が無かった首回りも今日は初めて感じ、回復の兆しではないかと思う。
 午後には中心仕上げも終わるが谷口君は包丁研ぎ、平井さんはせんかけをしているので少しの時間を利用して砂鉄の選鉱と配分。私の鋼は有り余るが弟子が作刀の為鋼が欲しいとの事で、刀の出来注文に合わせて日曜日の雨天に今年30回目のたたら製鉄。以前九州から頂いた砂鉄を主に使用する。
 中心仕立ての終った刀を下研ぎに出し、下研ぎの終った刀を持ち帰る。地金は古墳期のデーターを元に配合してあり刃文も面白いし、鍛肌も古い時代を思わせる出来。針先で突いた様な鉱滓跡も少し残るが、現代刀の地金とは全く比べ物にならなく仕上がりが楽しみである。
 この地金は脇差にして以前著名人の注文で製作したが、刀剣関係者にはいずれも古刀の地金と評価され、戦國武将の末裔の家に所蔵されている。

刀身仕立て

 朝整体の先生の治療で痛みと痺れが和らぎ、2階の仕上げ場で刀身仕立てを終える。室温36度と熱く早目に終えて病院へ。夕方には久し振りに散歩にも出る。 この調子では中心仕立ても明日には荒仕上げも出来て、研ぎに出せる。
 思わぬ病で刀造りも遅れて、梅雨明け迄に一振りの刀が出来れば良い方である。予定より大きく遅れているが、回復すれば又刀造りが出来る事であろう。一日も早い回復を毎朝毎夜金屋子様に祈っている。

今日も休みて

 鍛冶場への途中、腕が激しく痛み出したので帰宅する。投薬はかなりきつくサビスミンSRカプセル37.5㎎とリリカプセル75㎎であるが、効能を感じなくむしろ痛みは強くなる様である。
 朝の涼しい時間にヤスリとせんかけを、2日間で仕上げて研ぎに出す予定にしていたが・・・注文刀は途切れなくて玉鋼包丁の注文も入り、家で寝るのも気が引けるが肩・腕の痛む時は休んで、体調の良い時でなければ失敗に繋がるので鍛錬は休んだ方が結果的には良い。 
 1万5千人の住む団地の住宅街の中でも、敷地内に多くの草木に囲まれた我家は吹く風も涼しい。そんな中で痛み止めに焼酎を飲みながら思いにふける。大高君が送ってくれたメロンを頂く。職種は違っても元気で頑張っている事が嬉しい。
 長い間に多くの弟子が出入りしたが、それぞれの事情も有り刀工で生活が出来なく別の道に進んだ者も数居る。今の時代に刀を造って生活する事は難しく思うが、日刀保玉鋼で全員が同じ地金・刃文の刀を造るのではなく、自家製鋼の玉鋼で個性を出せば何とか愛好者も現代刀を見直すかも知れない。
 努力と工夫を重ねる以外方法は無い。

横たわりて

 鍛冶場に出るも痛みて帰宅。
        歌八首
    ○首病みて   腕は重たく   痺れ来る
       横たわる身に     夏風吹きて
    ○痛み来る   腕の痛みに   耐えかねて
       焼酎の味      痛み和らげ
    ○酒くみて    酔いもまわりて   横たわり
       在りし日の父     偲びてやまん
    ○父の歳    越えて幾年     かえりみる
       故郷出て       剣打つ身を
    ○長き日々    剣打つ身を   支えしの
       妹の辛苦に     頭を垂れし
    ○徒然と     思いは巡る    長き日の
       鋼造りて    剣打つ日を
    ○横たわり   痛み堪えし    昼下がり
       果物届く   水戸の君より
    ○休みては   明日の刀を    いかにせん
       刀忘るる  刻(とき)も非ずや

激痛の日

 午前2時30分より肩の痛みで眠れず。
 朝、秋山君に私が3月に焼入れをしていた刀の姿直しをしてらう。
 時間が有るので先日の餅鉄と砂鉄を混合して昼迄たたら製鉄。痛むので早退をと思ったが、刀剣博物館で研修会に参加している平井さんの帰りを待ち本日の報告を受けて帰宅。
 神経の痛みは止まず、手も痺れるが何とかぷろグを書き終える。

ブラジルより

 日本の裏側ブラジルより日系2世ブラジル人及び御孫さんの4世等8人が来所。たたら製鉄の歴史と作刀工程の説明。鍛冶場で古式折り返し鍛錬、女性を含む全員が向鎚体験と伝習所ならではの体験に喜んで頂く。2名の日系2世ブラジル人の方は、戦前にブラジルに渡り苦労された方の御子孫であり、流暢な日本語を話しブラジル人との通訳をして頂く。
 祖國日本の魂、日本刀は日本人の誇りである。海外に居ようと日本人の血が流れている。私達の日本刀伝習所を通じて日本とブラジルの友好関係が築かればこの上なく喜ばしい事である。
 世界は日増しに狭くなり、御互いの國々が友好で平和でなければならない。

製鉄

 昨日の餅鉄は一夜かけて乾燥させたが、右肩の痛みと痺れで完全に粉砕出来ず、別の砂鉄で吹く。たたらの炎の中に僅かではあるが水蒸気を見付ける。鋼の歩留りが悪いのはやはり炭が夜露の水分を含んでいるのであろう。換えた炭を投入して砂鉄投入を続けて解体。通常の玉鋼が造れる。こんな僅かな事が鋼造りに影響する。
 明日は菊池君のたたらなので炭を天日で乾かして置く。 もう十分過ぎる程鋼は出来ている。来週は谷口君の力を借りて鍛錬を少しずつ進めたい。

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