刀鍛冶の日々

3月終わりぬ

 1月・2月は順調に刀を造れたが、3月は火造り途中から肩・腕が痛みて苦労をしたが、秋山君の火造り手伝いで何とか一振りを打ち終えた。痛みで刀が出来ない日はたたら製鉄を谷口君と強行して、夏迄の刀と包丁の鋼を造った。
 思い返せば休んだ方が良かったかも知れないが、フェマタイト砂鉄も製品化出来た。3月は弟子のお陰で乗り切る。
 正月より三振りの刀の地金を変えながら、全て思い通りの刀が造れた。毎朝神棚に向かい体調の回復と良い刀が出来る事を、鉄の祖神金屋子神社の大神様に祈り続けて3月も終りぬ。
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炭入荷

 炭焼き屋さん1軒から午後に松炭25俵が入荷するので、早出して谷口君と2人で今年19回目のたたら製鉄をして在庫用の鋼を造る。谷口君は休日出勤となったので明日は休み。
 本当は昼迄寝て体を休め午後より松炭を受け取れば良かったが、多量の松炭とたたら炭が日曜日位に入荷予定なので、少しでも在庫の炭を減らして置き場所を確保したかった。非常用の松炭も100俵程あるので狭い伝習所は何時も置き場所に苦労する。

銘切

 展示刀予定の刀にやっと銘を切ったが右肩と右腕が痛み、後は鎚が握れず。
 午後は3県より5人の見学予約の方が訪れたので説明。手馴れた弟子達の古式折り返し鍛錬は安心して見ている事が出来る。
 夕方には県内の炭焼き屋さん2ヶ所より松炭150俵とたたら炭74俵が出来たと連絡が有り、炭の補充も出来これで暫く刀造りも安心だが、右肩の痛みが何時迄続くのか不安である。

週末

 何時もの週末は弟子達が独立に向けての技術修行に訪れ、刀の鍛冶研ぎや鍛錬、降し金と1日忙し。
 明日は刀の中心仕上げのやすりと銘切が有るので、大事を取って見学をする。時期なのかあれ程痛んだ肩と腕の調子も良くなる。幸いに毎月一振り製作の予定も終わっていたので安心して材料造りのたたら製鉄にも打ちこめ、非磁性砂鉄での鋼造りも谷口君と2人して成功した。谷口君も今日は私が鍛えて焼入れをした包丁を研ぎながら今迄の地金との差を感じている。
 今日は高知県土佐郡地蔵寺村立割703番地で生を受けて68年になり、父母の歳を越えた。下手ながら刀工として35年間の地金造りの研究も完成しようとしている。
 弟子達も刀工としてやっと芽を出す傾向に有る。後2年程は面倒を見てやりたい。

快復気味

 肩・腕の痛みで半月余り作刀を休んだが、その間にたたら製鉄を7回実施。谷口君と2人で非磁性砂鉄も銑にしなくて、鋼にする方法も見つけ出し、今日は包丁1本を谷口君が研ぎ上げる。
 鋭い斬味で地金の沸の付き方と共に刀の材料にも申し分なし。久し振りに刀の中心仕上げに入るが痛みも無く調子も良いが無理をしない。
 先週はドイツから見学。明日は米國より4名の見学予約。4月も米國より2組の予約と外國人が多い。暖かくなったので日本各地よりの予約も多し。
 弟子の平井さんも苦しみながらの作刀練習、苦しんだ分が自分の実力になる。刀工試験を1年先送りにしたので頑張れば専業刀工も夢ではない。

フェマタイト地金

 昨日谷口君が鍛えた地金を包丁にして焼入れ。先日の私の焼入れをした包丁と合わせて3本をベルトサンダーで荒研ぎ。今迄見向きもしなかった磁力の無い砂鉄を今回谷口君と2人で何とか鋼にして包丁用地金としたが、研いで見ると地刃に煙る様な小沸が付いている。包丁よりも刀にする方が良い地金である。斬味は本日不明であるが明日研ぎ上げれば判る。
 この磁力の無い砂鉄は使用する者もいないので入手できる。先週も遠くから砂鉄を持参して頂く。有難う御座いました。

マグネタイトたたら

 日本産フェマタイト砂鉄で造った私の鋼を谷口君が鍛錬をするが、苦労をしている様である。おそらく日本でフェマタイト砂鉄で鋼を造っている人物はいないと思う。彼は若いしこれから自家製鋼で刀造りを続けるなら丁度良い機会である。親方の炭と鋼を使い勉強が出来る。 
 江戸期にはフェマタイト鉱石を原料とした海外産銑が輸入され、銑下げ(脱炭)されて日本國内でも使用されていたし、日本でも赤鉄鉱が利用されていたと思われる。餅鉄は磁鉄鉱ばかりではなく赤鉄鉱もある。
 たたら製鉄を研究している方数名にフェマタイト砂鉄を分けてあげたが、成功した話は聞かない。多くの時間と経費を考えて、日刀保鋼で手っ取り早く刀を造り生計を立てたい気持ちは判るが、それでは水心子正秀の亜流で終わる。現代刀に欠けているのは地金である。これを解決しない限り専業の刀鍛冶で生きるのは難しいと思われる。
 体が痛むので今日はマグネタイトたたら製鉄をして1日を過ごす。3月は通算8回の製鉄をこなし砂鉄も炭も残り少なし。

フェマタイト鋼鍛錬

 新しい鋼の様子が見たくて鍛錬。松炭が濡れているのでたたら用の雑炭を使用したので、鋼が沸く火花が出なく苦労する。炭素量が高く銑に近いので低い温度でも鋼が燃える。肩・腕が痛く鎚を使えないので谷口君が火造り、私が焼入れ。焼入れは湯にして焼入れ調整。非常に敏感な鋼である。後日研ぐ事にする。
 両肩・両腕が痛み出したので明日は作業が出来ない事を思い、たたら製鉄の用意をする。

免許更新

 休日出勤で新しく造ったフェマタイトの鋼を包丁に纏める予定であったが、県内産入荷の松炭が水に浸り、10キロ入りの袋で多いものは1袋で牛乳瓶3本位の水がビニール袋の底に溜っている。こんな濡れた炭は袋詰めの時に当然判るものである。折角1年かけて何とか刀の心鉄鍛錬に利用出来る迄上手に成って来たのに残念である。こんな炭を商品として納入すれば信用を落とすとは思わないのだろうか?炭焼さんに電話。
 谷口君に濡れた炭を駐車場に干してもらい、運転免許センターへ免許の更新に出掛ける。
 午後は新しい鋼を造るのに燃料である木炭の火力よりも、ガスの出方と石灰分による鉱滓の出し方を今迄とは違った見方をしなければならないと思い、鉄工学の本に目を通すが砂鉄にも問題が有りそうである。明日包丁を鍛えて鋼の性質をもう少し見て、土曜日のたたら製鉄を考えたい。

鋼造り

 近代製鉄では磁性の無い赤鉄鉱とコークスによる高炉法で銑鉄を造りそれを脱炭させているが、たたら製鉄では磁性の有る砂鉄と木炭で鋼を造り、折り返し鍛錬で脱炭させている。
 今日は昨日木炭と磁性の無い砂鉄で鋼を造り、鋼の試作鍛錬を行うが本来フェマタイトは銑にして上部表面の不純物を除くので、品質の高い銑になりそれに酸素を与えて脱炭さすので鍛錬は不要である。しかし非磁性のフェマタイトを鋼にするには、マグネタイトに比べて鉱滓が出にくくて鋼の中に不純物が残り易く、鋼の中の空気と鉱滓が厚く積もった金肌を鍛錬で除くのは難しく技術が必要になる。
 予定の一日作業では終わらず手間暇を要するが、新たな利用価値を生み出すかも知れない砂鉄である。鋼造りは毎日が勉強であり、面白いと思うこの頃である。

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