刀鍛冶の日々

金沢君たたら

 宿舎に前夜から泊まっていた金沢君がたたら製鉄を行なうので朝4時30分起床。昨夜の鍋物の残りに御飯を入れて沸かし一人で早い朝食を済まして鍛冶場へ。歩留り30%の成果。
 朝7時より鍛錬を始め12キロの玉鋼を3日間で5回折り返す、合計30回の折り返し鍛錬には疲れるが夕方には包丁2本に土置きをして焼入れ、ベルトサンダーで荒研ぎを終える。長時間良く働けたものである。
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鍛錬2日目

 調子よく半日で2キロの玉鋼を5回折り返し合計8キロを鍛える。受験生は勝手にさせていたが大高君の鍛えた皮鉄はU字にまくられていたが長さが全く足りず。皮鉄を広げてまくる時にどうして確認しに見せないのか、いつも自分勝手な仕事をして失敗している。人に頭を下げるのが嫌で絶対に尋ねないので他の弟子は教えない。自分が出来ないのに他の弟子の仕事も参考にしなく帳面も控えない。水戸の県民性なるか、幕末には水戸藩内は二手に別れ徹底的に相手を倒す事が明治迄繰り返され、明治維新に役立つ人間はいなくなっていた。県民性が良く表れている。伝習所に一番早く入門し8年過ぎても今だ刀工試験に合格しなく、後から入門した弟子が先に刀工になって行く事に何も感じないのだろうかと思う。

鍛え始め

 昨日の餅鉄は非常に鍛接が良く鋼も締まる。丁度炭が無くなった所に岩手県より入荷。岡山県内産の炭には無い火力が良いのか、調子も順調で夕方迄鍛え続く。日暮れて帰ると早速風呂にて一日の疲れを癒す。肉体は疲れ果てども心は満足感に満たれし。

餅鉄たたら

 前日の予熱に炉の蓋をしていなかったので予熱炭は無くなり炉は冷えていた。大失敗だったが炭も火力が有り餅鉄は歩留り50%であり、戦前の靖國たたら鋼の様に硬く締まり、粘りの有る鋼で大成功である。前回入荷の炭は全く無くなるが明日は岩手県より入荷の予定。県内産炭も140俵出来上がったとの電話あり。来月は2,3カ所に注文していた炭も出来る予定で安心して十分に炭を使える。弟子達も炭が少なく遠慮して炭を使っていた様であるが、来春迄炭の入荷も確保出来た。これで全員がたたら製鉄で鋼が出来る。
 今の若い刀工は戦前の玉鋼を見た事も、ましてや使って刀を造った事も無いので玉鋼の違いが判らない事と思う。鋼が違えば刀の出来も違うのである。来週末は谷口君が初めてたたら製鉄に挑戦する予定。

姿直し・製鉄準備

 昨日の刀を午前中に荒仕上げをして下地研ぎへ。
 午後は大高君と2人でたたらを解体して塗り直したたら炭を大高君が切り、私は明日使用する餅鉄の用意を済まし炉に火を入れて予熱をかけて帰る。
 砂鉄製玉鋼は来春迄在庫が有るが餅鉄製玉鋼は在庫が少なくなり、古刀に近い分析値の餅鉄での注文が多くなり高額な包丁の注文にも全量の半分は餅鉄を使用するので、たたら製鉄を年内に2回程して来春迄の在庫としたい。

刀焼入れ

 朝より雨、薄暗く日中でも焼入れは出来る。受験生も休みであるので火造りの終った刀身にせんかけをして肉置きを整えていると2人が見学に顔を出すので見学をさせる。ついでに土置きも見せて昼食を3人で中華そば店へ。昼寝の後に焼入れの準備を大高君が手伝い刀の焼入れを見学さす。寝過ごしたのか谷口君が終わった後に顔を出す。千種鋼を入れていたのであまり沸が付かず匂口は締まっているように見えるが研ぎ上げなければ判らず。暗いので姿直し、窓明けは明日に廻す。これが終われば餅鉄で鋼を造り次の注文刀に取り掛かりたい。
 寒くなり刀造りも本格的に進んでいるので受験生の炭切仕事も忙しくなるので、2人に炭切用のヤッケを支給する。3日前に20俵到着した炭は8俵になり30俵の追加注文。

三島由紀夫・森田必勝慰霊祭

 両烈士43年祭。政権は民主党から自民党に戻るが自主憲法は制定されず自衛隊は國軍ならず。一國の首相が靖國神社の英霊に頭を垂れる事も出来ない日本。公明党が自民党の覚醒剤である。43年前の檄文に胸痛む。國民運動が政治運動に変わらなければ日本は目覚めない。
 43年前学校を卒業した23歳の秋、テレビを通じて義挙に出会い私の胸に民族の炎が燃え上がり、國学運動を通じて民族の魂を打つ決意になり、今も刀を打ち続け弟子の育成に情熱を注げるのは43年前11月25日に原点が有る。

来客多き日

 朝より来客多く夕方になってやっと暇な時間が取れたので梃子付け、折り返し鍛錬を平井さんに見せ、包丁2本分が出来たので包丁の火造り実演。菊池君はたたら製鉄、金沢君は炭切、受験生2人も鍛錬、山本君は包丁造りと忙しき一日であった。
 仕事が終わった後にたたら製鉄の鋼の火花試験するが、炭の火力が有った割には低炭素で皮鉄には不向きな砂鉄である。量が少ないので分析はしていないが経験上駄目な砂鉄である。使えてもせいぜい心鉄程度である。同じ中国地方でも地層が異なると砂鉄の成分も違う。赤目砂鉄か真砂砂鉄か、チタン系か、磁鉄鉱系かを知らなく単に砂鉄なら同じでは浅学である。
 日本刀を造る製鉄は難しく、学問と経験が要る。そんな事より手っ取り早く日刀保鋼を使えば直に刀は出来る。それで満足か?

火造り

 朝より火造りを始め刃の打ち出し方、切っ先の返し方等を改めて受験生に見学さす。平日は受験生2名となり刀工資格を持った弟子がいないので十分面倒が見れるので、受験生の技術も伸びて来て1名は合格ラインに達しているが1名がどうしても制限時間内に仕上がらず脇差の姿を造れない。本人は一生懸命だろうが刀工としては少しセンスが足りない。しかしまだ半年ある8年間の時間を無駄にしないように。人生は1回しかない。頑張って刀鍛冶になって故郷に帰ろう。

素延べ終わる

 午前中にスプリングハンマーで素延べを終えたが炭が到着しないので、午後は昨日焼入れをして見せた包丁の曲がりを取って研ぎを仕上げる。土、日曜の公開鍛錬の鋼も谷口君が小粒の鋼を纏めて用意。
 夕方少し早めに終えて三島祭の買い出し。その後に岩手県より炭入荷。これで明日は火造りが出来る。

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