刀鍛冶の日々

刀納品

 4月12日登録をした南北朝期を復元した刀を、大安吉日の今日愛知県迄持参。注文を受けてより砂鉄を集めたたら製鉄で鋼を造って鍛えた刀である。大東亜戦争皇軍兵士の98歳の方に無事納める事が出来大変喜んで頂く。中心には本人の名前を入れて子孫に家宝として代々受け継いで頂けると思う。この一瞬に刀工であって良かったと思う。片道5時間の旅であったが帰宅すると気が緩み一気に疲れが出る。
 明日からは又刀造りが始まる。
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発熱

昨夜から発熱し体中が痛む。受験生の技術指導に追われ疲れ切る。さすがに今日は10時迄動けず、10時以降は椅子に座って受験生の仕事を見るが何でこんな初歩的な事を言わなければならないか? どうも1名は不合格になるかも知れない。やはりどの世界でも駄目な人間はいるものである。何とか合格させたい。夜研ぎ師宅へ脇差を研ぎに出す。

中心仕上げ

 受験生だけの仕事を進めさす。午前中は脇差の中心仕上げを済まし午後は短刀を諸工作に出し、やっと受験生の仕事を見る。出来はA,B,Cに別れる3人3様で本日も終わる。あとは自己の悪い点をどれだけ直して合格するかである。私の仕事も進めなければならないので、明日からは又刀の製作続きをしなければならない。弟子の仕事を見ながらの仕事はあまりはかどらない。5月には何とか二振りを仕上げたい。今年の連休はイベントを組んでないので見学者も少なくて助かる。

刀工試験一ヶ月前

  試験迄丁度1ヶ月前となり公開鍛錬を中止して、受験生の1番不得手な部分の素延べ、反り付け、鍛冶研ぎを3人に分けてそれぞれに教える。3人共に頑張ったので技術の向上は見られるが3人各様に持った技術内容が違うので、3人揃って合格出来るか否かである。受験生3人の指導を1日続けると疲れ切る。まだ来年の受験者も控えているが鍛冶場の使用は今年の受験生優先で進める。その合間に昨日夕方に焼入れをした脇差の姿直し、中心の焼戻しをするが中心仕上げには到らず。他の弟子6人は各自の自由にしてある。
 次々と見学予約も入るし包丁の注文や問い合わせ等も有り帰宅しても忙しい。今はせめて1週間に1度体を休ませたいのが望みである。

焼入れ

 受験生には仕上げ場でせんかけを昼過ぎ迄実演して見せる。夕方には土置きをして日暮れを待つ。弟子はアルバイトがあるので出掛けるがきっと焼入れを見たかった事と思う。残った秋山君と大高君が手伝い水温24度に設定して焼入れ。水温、焼温度、炭素量が合致して上手く収まる。二礼二拍手。明日は受験生の面倒を見る合間に反り直し、中心焼戻しをして鍛冶研ぎ迄進めたい。
 砂鉄の分析値だけでは決めにくい特質もあり、刀を造る前にはやはりサンプルで包丁を造って見当を付ける事が大事である。

火造り

 昨日の素延べの脇差を平田君が刃の打ち出しをするが上手くいかず秋山君が修正して火造りをしたものを、私が反り付けをして見せる。刀工試験に合格しても今だ注文に応じる技術には成らず。他門の合格した刀工も同じであろうと思うが、独立迄には10年位は修行が必要だと思う。刀工試験に合格した位では刀の注文も無いのでたたら製鉄で鋼を造り、それを鍛錬の練習として包丁を造って販売して糊口をしのがねば刀工になれない。高卒で弟子入りした者は預金も無いので親が独立資金を出さない限り刀工として成り立たない。

雨の日

 昨夜からの雨は一日降り続くので、涼しく心鉄を鍛え皮鉄と合わせて荒素延べ迄進む。連休も近いので弟子が卸し金や積み沸かしをして公開鍛錬の準備をする。五日前に購入した松炭も1日平均5俵は使用するので在庫が少なくなり入荷の見通しが立たなく、刀用の松炭で弟子が火造り練習をする事を禁止。そうでなければ刀が造れなくなる。練習用の炭を何処から仕入れるかも課題である。
 受験生の仕事も厳しく見るので技術も向上してくる。試験迄約一ヶ月となるが刀工で生活出来るにはまだ遠いが、取り合えず合格する事である。刀工試験は年々厳しい採点傾向にある。刀工になるには最低これ位の試験に合格しなければ刀工で生活が出来ないと思う。頑張って欲しい。

早出続く

 鍛冶場に出ると私の車の音がするので弟子達は目覚める様である。弟子達の事は気にせずモーターの上に氷を乗せたり、スプリングハンマーに油を差したり、炉の上に濡れた砂鉄を置き炭を運び準備をすると30分位は時間が過ぎる、狭い私の鍛冶場は直に室温が上がるので天井に2台の扇風機と外部から2台の扇風機で室内に風を送りながら鍛錬を続ける。一日曇りなので温度は低く鍛えは順調に進み昨日の下鍛えに続き上鍛え完了。地元産の松炭でも岩手県産以上の火力のある炭なので鋼の沸く時間が速い。少しでも油断すると一秒の差で鋼が溶けて目方が減る。
 休日で弟子がいないと落ち着いて仕事が出来る。梅雨明け迄に注文刀を済まさなければ体力的に夏の鍛錬は出来ない。遅れている仕事の予定表を見ながら自分の仕事を続ける。涼しい朝に早く仕事を始めたいが周りの事もあるのでスプリングハンマーで打ち始めるのは6時半にしている。
 毎日2時間の早出が体力の限界になって来た。炉の上に置いた30キロ程の濡れた砂鉄も昼には完全に乾くほどの反射熱を浴びるので疲れ切る。

下鍛完了

 早朝より昼迄に心鉄と皮鉄合計10キロの下鍛えを3日間かけて完了。午後は羽口の修理や炉のブロック壁の追加工事をして明日よりの上鍛準備をする。3時よりは受験生のせんかけや火造り仕事を見る。注意点ばかりで仕事はさっぱりはかどらない、

参拝

 案の定大雨である。朝4時20分妻と出発。7時10分鉄の祖金屋子神社着。7時30分より第一番に昇殿、御拝礼、心身共に清まる。紙面に書く事は出来ないが宮司さんの御高配に感謝し奉る。駐車場に出ると日刀保たたらの方々と顔を合わし御互いの健康を称える。
 午後1時帰宅して長船の鍛冶場へ出ると、受験生の仕事がはかどっていないので効率の良い方法を教えて違いを確認さす。仕事はより速くより丁寧な事をしなければ時間だけが過ぎる。不合格で三度目の受験生はこの一年間自己努力をさせたが、これ以上の能力が無いので教えざるを得ない。私の学んだ師ならきっと辞めさせられていたと思う。努力と工夫が欠けている弟子を持つ事は大変であるが、何とか刀工にしてやりたい。

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