刀鍛冶の日々

弟子の仕事

早出してたたら炉を塗り餅鉄を吹く。短時間で7キロの玉鋼を造り梃子の補強で早めに作業を置き弟子の火造り、仕上げに目を通す。どうしても丁寧な仕事が出来ない受験生にも悩む。最近は目が痛んでも視力は正常になっているだけに弟子達の欠点がやけに目に付く。
スポンサーサイト

早出

今朝も5時起床、6時たたら操業開始、玉鋼12キロを造る。その後包丁3本の火造り、焼入れ。受験延期者の火造りを指導するが精神の緊張が緩むのか急に上手になり、受験者と同等の火造りをする様になる。この調子で来年度へ繋がれば良いのだが・・・

参拝

休日でも秋山君が研ぎを引き受けてくれたので金屋子神社へ月参りの参拝に出掛ける。境内は雪が積もり底冷えがする。静寂の中柏手が大きく響く。刀工にかけているのは 敬神愛國 盡忠報國の誠である。刀が売れなくて嘆くより自らの志の低さを嘆かなくてはならない。

休日出勤

弟子の休日で朝より自分の注文包丁の火造りと焼入れをする。焼入れ温度は火の色を見なければならず赤外線防止の眼鏡を外し、裸眼でみるので帰宅しても目が痛む。刀工受験者は今日より休日無しとする。受験延期者も来年目指し今日が出発日であるとその旨伝える。進むも退くも本人が決める事である。包丁の注文があまりにも多いので秋山君が研ぎを手助けしてくれるので助かる。弟子は親方の役に立つ弟子でなくてはならぬ。親方の仕事を手伝いながら技術を高めてゆくのが修行である。

赤目砂鉄

今泉俊光先生の在庫、千種川砂鉄を30数年ぶりに吹く。兵庫県千種産の玉鋼は県境を越えて備前長船に運ばれ、備前刀の材料になっていた事は、少なくとも室町時代迄は遡る。備前長船刀は決して県内産の砂鉄で造った玉鋼ばかりではなく、多くは山陰地方からも運び込まれていた。戦後刀鍛冶として初めて赤目砂鉄以って玉鋼を造り作刀された今泉俊光師より製鉄を学び鉄造りに取り組んで来たが、千種川砂鉄はいつも真砂砂鉄であり赤目砂鉄は初めてである。砂鉄30キロ、操業4時間で15キロの玉鋼。歩留り50%、日刀保玉鋼よりも硬いが粘りも有り炭素量は1パーセント。刀工2人が各々訪れたので現物の玉鋼を火花試験をして見せる。この玉鋼も備蓄する。夕方迄に柳刃1本を鍛え日暮れを迎える。
IMGP0266.gif

誤配

連日包丁の注文で忙しく岩手産の松炭が2日前に入荷していたので弟子に昨日から炭切をさせていた。ふと見ると松炭ではない。松炭と同じビニール袋に入れて送られて来たが、5年以上炭切をしているのに松炭とそれ以外の炭と見分けが出来ないとは情けない。早速岩手県に電話をするが松炭が思う様に集まらず少しだけでも送るとの返事。困った事である。夕方迄かけてやっと柳刃を素延べ迄進めた頃には一人である。刀工受験から外れた弟子は手が空くのでたたら炉を塗り予熱をかけて帰宅。心身共に疲れるが折角私を指名して注文を頂くので早出、残業をしてでも納品して3月よりの刀製作に取り掛かりたい。NHKテレビで包丁造りを紹介された影響は大きく今だに注文は続く。弟子にも注文を頂ければ助かるのだが・・先日今泉俊光師が30年以上前に集めていた砂鉄を手に入れたので明日はこの砂鉄を使用してみたい。

通達

5月末の刀工試験の通達有り。受験予定者全員がそれなりに努力をしたが2名はどうしても制限時間内に出来ないので受験を延期さす。受験は3名に絞る。人間持って生まれた器用、不器用も有り努力しても出来ない者もいる事は、他の職業でも同じである。一回しかない人生は本人が選ぶしかないと思えば気も楽になる。受験予定者に火床を独占され卒業試験が遅れていた秋山君もやっと刀の焼入れが終わる。

勘違い

注文の出刃包丁を仕上げ、少し時間が有ったので昨日の刀三振りのせん、やすり仕上げを行う。その刀を見て弟子が昨年鍛えた刀だと言うので否定。「それではその様にしておきましょう」と述べるので、作刀控えを提示さす。私が赤坂鍛錬所で造った一ヶ月も後で、弟子に鍛錬させた記録である。弟子に三本も鍛錬の練習をさせていないし弟子が練習した物などを売り物にしないし、刀にならない。入門して七年しかならない弟子の勘違いも思い上がりである。夜遊びをした一度目は帰れと言った。二度目は出来ない大高君に教えてやれと言ったが否定したので、親方の言う事を聞けないならこれ以上仕事を教えないと言った。刀工試験に合格した位で一人前のプライドはいらない。刀鍛冶で生活が出来る様になったら一人前である。刀も造れないしたたら製鉄も満足に出来ない弟子の態度に、改めて接し方を考えなければならない。親方への返事は「はい」しかないのである。自分の考えを述べるのは十年早い。親方を気に入らなければいつ辞めても良い事である。徒弟制度は今も生きている。

手本

今日は受験生に刀の火造り、反り付け、内面応力を抜いて曲がり直し迄進む予定であったので早出して弟子が鍛冶場に顔を出す迄に包丁造りをする。連日の注文で3月より始める刀用の地鉄を使っての試作を兼ねて包丁造り。注文が異状と思える程に多い。受験生に刀の反り付け迄を見せるが身に来ない受験生も居る。それはそれで結構であるが受験させない。自分が仕事が出来ないのに親方の仕事を見ようとしないので、夕方受験生の仕事を見るが不合格である。もう辞めた方が良いと思う。

鋼試作

3月より刀造りを始めるので先立って包丁で試作をしてみる。最近は包丁の注文も多くなる。受験生も火造り練習をしているが今一歩出来ないので明日は刀の火造りから反り付け迄を見せる事とする。幸いに赤坂鍛錬所移転前に素延べをしていたものがあり、鉄板で火造りをしても本気にはなれないので本物で見学さす。朝から雪であったが鍛錬をしていると熱く下着一枚で出刃包丁を造る。焼入れ感度も非常に良い丹後半島の鋼である。

 | HOME |  »

FC2Ad

プロフィール

上田

Author:上田
FC2ブログへようこそ!

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

訪問者