刀鍛冶の日々

注文

物が有る時は買い手が無く物が無いと注文が入る。2日続けて出刃包丁の注文が入るのでたたら炉を塗ってから包丁の鍛錬を始める。刀の製作問い合わせや、見学予約の電話も多く秋山君に研ぎを手伝ってもらうが自らも研ぐ。今全ての事が私一人の双肩にかかって来たが誰も頼らない。土佐の人間は孤高の刀工を貫く。
スポンサーサイト

理由

右肘が痛み苦痛ではあるが平田君が見学しているので刀の火造りから反り付け迄を見せる。休日でも受験生は卸し金、火造り、せんかけを4人程がしている。夕方は4時に終わる。昨日のたたら製鉄は本来であれば炭素量も低く柔らかい鋼になるのだが、正反対の結果でありその理由を調べたくネットで調べると、古墳時代から製鉄が行われていたらしい事が判り、分析はSiO2とCrが他の砂鉄より多いようである。その為鋼は炭素量が高いのではないかと思われ硬度も高いようである。還元率を高めるには炭の種類を変えて火力を高めた方が良いかも知れないので、実験を近日中にしてみたい。

梃子鉄用砂鉄

チタン含有率25%、非磁性含有砂鉄40%と極めて悪い砂鉄が3トンも有るので鍛錬時の梃子鉄として、九州の砂鉄と近畿地方の砂鉄を入れてたたら製鉄をするが歩留り一割と還元悪し。鉱滓が多く出て炉底も半分鉱滓で詰まるが、火花試験では炭素量も高いので梃子鉄にするのは止めて包丁にした方が良いかも知れない。複雑な気持ちである。

ドイツから

一週間程前に見学予約の有った方の見学。ドイツ在留の日本人女性の夫がどうしても日本刀の製作工程を見たくてインターネットで捜し来所。見学の為妻の実家神奈川県に帰宅。工程の説明や私の刀を見て頂き弟子による折り返し鍛錬を公開。今日は見学者も多く忙しかったが外国の方と話すのは楽しい。日本刀を愛する世界の人は友達である。

寿包丁

結婚記念に新婦の為に寿包丁を造りたい新郎と弟子7名が2~3名で1チームとなり、古式折り返し鍛錬を向鎚でトン、テン、カン、々と打って昼前に終わり、午後は土置きと焼き入れそして研ぎ上げ、夕方4時に完成。この包丁造りを編集して披露宴で放映。愛する妻の為に造った包丁を贈る。世界に一本しかない自分の造った包丁。何物にも代えがたい最高の贈り物である。これから二人で人生の船出に運を切り開いて欲しい。

炭180俵

 朝7時県内産炭180俵が入荷し、弟子5人で炭置場に入れるが入り切らず、30俵程は駐車場に置く。在庫と合わせて200俵余りの量であるが一ヶ月足らずで消費する。炭焼屋さんが新たな炭釜二ヵ所を新設し、夏も焼く事になったので助かる。年間100万円余り炭代が浮く事になる。
 受験生4名は脇差の続行。刀工の弟子には刀の火造りを命ずるが「コーヒーを飲んだら気持ちが悪くなったので休みたい」と申し出るので休ませ、弟子の休日に火造りを一人でする事として早速入荷した炭で包丁の鍛錬、素延べ迄をするが炭の質は非常に良く岩手産の炭質よりも遥かに上質で運賃が要らないので大助かりである。

火造り指導

素延べの終わった刀を受験生に刃の打ち出し方より注意点を指導。作業時間を短く、より丁寧にしなければならない。一人仕事であれば多少時間をかけても丁寧に出来れば良いが、刀工試験では工程毎に時間制限がありその中で丁寧に早く出来なければならない。個人の性格もあり一人々が違うので指導も難しいものである。

出来ず

朝より27日、28日の体験会に備えて全員で炭切り、土間の補修、アク造り等で半日過ぎる。午後は刀の素延べをする。夕方迄受験生2名が火造り、せん、やすりかけをするがどうしても合格点に達しない。理解能力と素質がない。他の受験生は問題なく順調に進んでいる。2名共に入門以来8年になるが刀工資格への道は遠い。

休みなし

弟子2名が出席。指摘しても出来ないので出来る迄さしている。休日でも秋山君が私の包丁を研いで手助けをしてくれる。弟子は親方の役に立たなければ技術は上達しない。急な来客が次々とあり予定の鍛錬が出来なかった。休日であっても注文が有り、包丁の販売や相談に応じなければならず忙しい。明日から全員の役割分担を作業の進行状態に応じて考えねばならず弟子の休日が一番楽である。県内の炭焼きさんから150表程炭が出来た旨の電話が有る。運送代もいらず県外より6万円も安くなる。この差額で弟子1名の練習材料が浮くので有り難い。やっと叔母さんの「邪馬台国の全貌」を読み終えたので、明日よりは「あらたま」を読みたい、目の痛みも少し楽になり遠ざかっていた書物にも目を通す事も出来るようになる。

極意

弟子は3人が休日でも仕事をしているが、おかまいなしに餅鉄鋼と砂鉄鋼を混合して昼迄刀用に折り返し鍛錬をする。予定終了後に日暮れ迄残り、どうしても火造りが出来ない弟子に火造りの極意を述べる。全て親方の作業通りを真似る事である。図を書き何度も何度も教えたが、決して真似なく変な手鎚で火造りをするので形にならない。道具が出来ていない。一番悪いのは毎日帳面を控え予習復習が出来ていない。そこに合格した弟子との差が有る。努力と工夫する事が刀鍛冶になる極意である。親方に 指摘された事は毎日控えなければ技術も上達しない。親方に指摘された事を真剣に受け止めているや否かである。極意とは真似る事から始まる。それが出来ないなら弟子を辞める事である。秋の夜長、今夜は「山口二矢 供述調書」を拝読。

 | HOME |  »

FC2Ad

プロフィール

上田

Author:上田
FC2ブログへようこそ!

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

訪問者