刀鍛冶の日々

試験3日目

受験生11名は積み沸かし、そして鍛錬完了。皮鉄・心鉄に分ける。明日は両方合わせて造り込み。

11名は3日目を通過、残った弟子平田君、鳴海君二人は始めての刀の鍛錬で刀造りを進める。秋山君は皮鉄完成。大高君、谷口君は手伝いと多忙。夜9時30分帰宅。
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試験2日目

鋼を鍛える為に梃子台を造り、梃子棒に鍛接して積み沸かしの用意の一日であるが、既に不合格者一名が出る。朝より大高君、谷口君を連れて赤坂鍛錬所で解体の用意。目の手術が行われる迄に研場の解体だけはしておきたい。

長船鍛錬所でも秋山君が卒業試験の刀の皮鉄が夕方には造り終える。沸かしが今一歩である。刀工試験が終わる迄に、平田君と鳴海君も刀の皮鉄と心鉄を組み合わす造り込み迄はなんとか終わらしたい。

受験生の事はそれ程気にはならない。各自この一年間はやるだけの事はやって来た。問題はこの先一門がどうやって生き残るかが問題である。そうでなければ今泉俊光先生から習ったたたら製鉄の技術も跡絶える。

良く斬れる武器としての日本刀維新も出来無い。65才になってもまだ々やる事は沢山ある。

受験1日目

1日目は午前中座学、午後は炭切りをしながら個別に日刀保玉鋼の見分け方試験と、例年通りなので何も心配なし。

午前中は平田君が刀の下鍛を終える。午後は鳴海君が下鍛えをして秋山君は炭切り、炭が不足するので、岩手県へ注文。夕方には研師宅へ太刀を受け取りに。そして赤坂鍛錬所で火床の塗り直しと多忙。

受験生は1、2度刀工試験を経験しているし、研修を受けているので安心している。昨日焼入れをした包丁も姿直しが出来たので、明日は研ぎ上げ仕上がりを楽しみにしている方に送ってあげたい。

今日も包丁を注文された方からの御礼のメールを頂く、この時が何よりもうれしい。

研修終わる

弟子研修3日目無事終わる。赤坂で注文の包丁を鍛えて火造り、焼入れ迄進める。目がぼやけて仕事がしづらく痛むが、注文が有る以上は頑張りたい、帰宅して風呂に入るが疲れは取れず体中が痛む。

明日からは平田君の刀造りが始まる。受験生3名も再挑戦。なんとか一年間の成果を出せる事を願っている。全国から12名の刀工志願者が試験を受けるが、試験合格は刀鍛冶の第一歩である。刀を造っても良いだけである。

全員日頃の努力の成果を出せる8日間であって欲しい。

研修2日目

昨日炭切りの時に外弟子阿部君が、左手親指の先を皮一枚残す迄切り、受験に大きく影響する。以前には試験前に小指の骨にヒビが入り取り止めと、よく々運の悪い人である。

私の知人の弟子も受験に来ているが、師伝の作刀方法では否定されている。さぞ戸惑った事であろう。自家製鉄をしている一門では日刀保玉鋼は使用していないので、積み沸かし方も違うが、文化庁が全日本刀匠会に試験方法を一任しているので、受験は全日本刀匠会の方法しかない。

親方も弟子には日刀保玉鋼の扱い方を教えておかなければ、弟子が困る。弟子6名を研修に出したので残った6名でのんびりと仕事をする一日であった。


毎日々目の痛みは増し、見えにくくなってゆくのが判かる。手術迄あと2週間となる。

事前研修会始まる

刀工受験者12名中9名、他9名が刀工試験会場を使って事前研修会を開く。文化庁より援助金がある様である。研修会には会員でなければ参加出来無い事であったので、弟子は今迄参加していなかったが、不公平を指摘されるので、会員以外も了としたので弟子を参加させる。

試験官の主観で決めるので、声の大きな試験管の主張が通る。誰しも自分の仕事が最高だと思うので、他の作刀方法を否定しがちになる。使用する玉鋼も文化庁指定である。しかし個人によって使用する鋼は違うので、試験材料迄文化庁が決めるのはおかしいと思う。自分の使う鋼を持って試験すべきだと思う。


鉄の科学について不勉強な文化庁の役人は、指定した玉鋼が最高だと思っているのだろうかと思う。もっとたたら製鉄について勉強しなければ和鉄の文化は守れない。

刀工である以上は製鉄史も分析も勉強して、個性ある鋼造りから始めなければならない。先ず第一歩は研修会の作刀方法で合格する事である。合格すれば独自の製鉄、作刀方法で刀を造れば良い。

最後の積み沸かし

炉解体、非常に粘りがある鋼であり、梃子台にしてその上に刀工試験で使用される、日刀保玉鋼の在庫最後の鋼を積み沸かす。この一年間に日刀保玉鋼を50万円余り購入して、弟子の試験練習とした。

明日より3日間は全日本刀匠会主催の研修会があり、4日目より8日間刀工試験が備前長船刀剣博物館で全国より12名が受験する。

文化庁の援助で受験会場を使っての研修会なので、参加すると有利なので、私の弟子3名と外弟子1名が参加して、そのまま刀工試験となる。昨年秋の日本美術刀剣保存協会の講習にも参加して勉強している。
ここ迄修行して合格しなければやはり刀工に不向きである。兄弟子3名は講習会にも行かず合格している。その差を考えて欲しい。

連日左目が痛む、早く手術をして楽になり思い切って仕事をしたいものである。ガス溶接用のメガネをしての沸かしでは、本当の温度が判らない。

弟子が不合格となってからの一年間は本当に長かった。やっと今日で終わる。

たたら準備

午前は鳴海君。午後は秋山君が刀の鍛錬。岩手県産の炭は少し湿っているので、日光に当て乾かして割る。炉も解体して塗り直す。たたら製鉄で大事な事は炉に湿気を含んでいない事が大事である。

炉が十分乾燥してないと炉の温度が上がらず、砂鉄が還元しないので、鋼にならずスラグとして排出されるので、木材を燃やして炉を乾燥させ、予熱を加える、そして天日で乾燥させた砂鉄を火床の上で再度乾燥さす。少なくともこれだけの準備は要る。

そして砂鉄の分析は絶対に必要である、たたら製鉄の歴史は全んど江戸時代末期で終わっているので文献、口伝もないので、当時の鉄の成分を見て刀の分析、成分を化学の眼で追体験するしか方法が無いと思う。

全んどの弟子が工業高校の機械科や金属材料科を卒業しているので、それ程説明は要らないが、頭の中で理解している事と製鉄が出来る事とは違うので、刀工試験が終わったらゆっくりと教えたいと思っている。

砂鉄分析配合

弟子が来る前に包丁5本の火造りをして土置き、弟子に異なる鋼の焼入れを見せる。弟子には配合を言ってなかったが、焼入れ温度と水温の関係と焼き入れ結果をどの様に見たであろうか。

包丁3本は同一配合であったが、2本は成分の異なる配合である。研いでみるとやはり匂口が異なるが、斬味にどの様な影響を与えるかは後日仕上げる事によって結果は出るだろう。

最近はたたら製鉄ブームであるが、使用する砂鉄の分析を行い、成分を知って吹かなければならない。スラグの中に少し鉄分が有るだけで、たたら製鉄に成功したと思っているが、全砂鉄の重量の2割位鋼がとれて成功である。
それも鋼の塊が出来て炭素量0.7%以上でなければ鋼でない。鋼の組織写真も必要である。


砂鉄を吹くだけの遊びであれば良いが、刀になる玉鋼を造る事は技術を要する。多量の砂鉄が入手する事になるので、刀用の鋼になる様に又包丁造りも忙しくなる。

日々是努力

今日も早出して弟子が来る迄に一仕事する。やっと刀の皮鉄を包丁に鍛えて素伸べ完了。明日は包丁の火造りをして5本位は焼入れをしたい。

一日々刀工試験も近づく、目の手術もあと三週間。それ迄にしなければならない事が多すぎる。それからも仕事場の解体の予定もある。時間と体が足りない。

今日も弟子の火造りから焼入れ迄指導、明日は姿直しで終わり。昼に炭が岩手県から入荷したので、長船に取りに行くと受験生は火造り、努力すればした分だけ自分に帰って来る。

努力は人の為ならず、自分の為である。自分の努力で斬開く以外道はない。努力した兄弟子は合格して刀造りをしている。早く追い着いて欲しい。

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