刀鍛冶の日々

体験会

一流企業の経営者さん達30名が、午前と午後に別れ折り返し鍛錬の向槌を打ち、刀の心鉄を造る。そして包丁の土置き、焼入れを見て頂き、各自一本の包丁に土を置く。時間の関係で焼入れは明日私が行う事とする。


日本のトップ企業家の皆さんに、日本の伝統文化にふれて頂き、みなさんに喜んで頂いた事が嬉しかった。一門全員で一生懸命の準備も出来た、成果も出せた。時折は自国の文化を知ってもらう為に体験会も開きたい。

12月ドイツよりの文化交流事業で、今年の大きな行事も終わる。あとは刀造りに打ち込みたい。
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帰省

土佐の国、高知へ帰る。親はいなくても我が故郷である。
朝7時30分発。昔は6時間もかけ長い道のりを帰省したが、今は高速道路で2時間30分で帰る事が出来る。

太平洋を望む坂本龍馬記念館に立てば、維新に活躍した土佐人の数々の必死の気持ちが我が胸を打つ。佐川町青山文庫に顕彰される烈士も同じである。長い年月岡山で過ごすが、どこ迄行っても高知県人である。

手術後一週間の弟を日赤病院に見舞い、その足で叔母宅へ、日暮れには瀬戸大橋を経て岡山県へ、忙しき一日であった。

インターネットの力

朝8時操業。8時40分より午後1時40分迄砂鉄投入35kg、玉鋼10kgが取れる。理科の先生もハンドカメラを用い撮影。

昼には九州屋久島よりインターネットを見て、来訪頂き炉の解体、玉鋼の取り出しを見学後、菊池君の横座で折り返し鍛錬。最近は沸かしの技術も非常に良くなり、卒業生並に近ずく。

その後秋山君による玉鋼のまとめ、梃付けと刀工としてプロの技術を見せる。時折り見学に来る御客さんにも12月のたたら製鉄体験会の予約を頂く。

最近はインターネットを見て訪れる方が多くなり、伝習所の伝統技術継承に理解を示される方が多くなり、一定の評価がなされて来たのも、広報活動の最先端であるインターネットであると思うと共に日本民族の精神が問い直されて、真の日本に回帰し、道義と道徳が社会に求められているのではないかと思う。

その意味でも弟子には民族の魂を打つ精神を鍛えて欲しい。

横座

明日の中学校理科の先生によるたたら製鉄見学、及び実習に備えてたたら炉の塗り直しと砂鉄の選考、配合。

午後は撮影の予約が有ったので、久し振りに横座に入り、弟子の向槌による折り返し鍛錬。サングラスをかける事も出来ず、真っ白に沸いた玉鋼を直接見るので目が痛む。

包丁を火造り、土置き、そして焼入れ、研いで刃文を見せる。帰宅しても目の痛みは止まず。早めに目を閉じる事として明日に備える。

弟子4名はこの時間、今だアルバイトに励んでいる事だろう。最近は冷える夜が続くが、昼の刀造りと夜のアルバイト、若いから両立出来る。若いから悩むのである。

弟子の砂鉄吹き

弟子は火造り、せんかけ、研ぎをしているので、今日から卒業生刀工の平田君と鳴海君にたたら製鉄を教える。チタンの含有が少なく、Fe85%から90%の歩留まりの良い砂鉄を吹く。砂鉄35kg、炭50kgを5時間操業、二人で砂鉄、炭投入をして玉鋼8kg、くず鉄3kgを得る。

品質の良い砂鉄を使用したので、最初にしては上出来である。単に鋼を造るだけは少し慣れると出来るが、刀に成る鋼を造る事にはまだ時間が要る。

日曜鍛冶

朝からH氏の鍛錬練習、月に何度か休日に遠く大阪の地から訪れる。元々好きであるし、器用さを備えているので仕事を早く覚える。

弟子の場合でも、器用さの有る弟子は一回の受験で合格をするが、そうでない弟子は何度となく受験しなければならない。
他の仕事をしながら趣味で、鍛冶屋を習う者に専業で修行している弟子は何かを感じているだろうか、競争心の無い修行は無益である。

包丁、炭注文

予定より早く刀の玉鋼が無くなったので、中止して新たに入った包丁の注文制作に入る。
仕事のない鍛冶屋さんの中でこうして、短期間に現金収入になる事はありがたく、直に岩手県の炭焼屋さんに炭を注文する。
玉鋼を造らなければ材料がなくなった。

沸かし

成分の違った玉鋼を鍛える。材料が同じであれば、肌ゆるみ等の欠点も出にくいが、面白い地金や刃文になりにくいので、河川の違った砂鉄を混合すると、玉鋼内にスラグが残りやすい。もう少し砂鉄吹きを考えねばならない。

包丁の場合は折り返し鍛錬は7回程であるが、肌ゆるみもなく良くまとまっている。刀の場合は鍛錬回数も倍である、包丁の沸かしは玉鋼の量が少ないので、よくまとまり鋼の内部迄火の通りが良い、刀の沸かしも今少し玉鋼の量を少なくして、沸かしてみる事が必要かも知れない。

配合と目方を控えて置いて、後日結果を見る事とする。

姿直し

朝より私用で平田君、鳴海君と共に外出。帰宅すると金沢君はすでに素延べ完了。菊池君の姿直しも問題があり、チョークで印をして直さす。

大高君も同じであるが、脇差の棟と刃の曲がり、ねじれがどうしても直す事が出来無い。全員に脇差の現状を見せておいて、金床で手槌でたたいて直し、その手直し後を見せる。今迄以上に完成度を求め、なんとか卒業生と同水準にしたい。

最近は目の痛みも増して来る、それに胸がしまるようで息苦しくなる事が時々起きる。今だ元気な内に弟子にも卒業生にもたたら製鉄の技術と地金造りの技術を教えたい。その他の技術はどの刀工も同じであるので、その内に慣れて来る。要はプロ意識の問題である。

玉鋼

大高君と菊池君が脇差の土置き、焼入れ、共に上手になる。午後は金沢君が先日水べしをした、日刀保玉鋼の積み沸かし。

全日本刀匠会で習った沸かし方だそうである。本当にこんなふいごの吹き方を教えたのだろうかと思い、他の弟子に聞いてみるも、日刀保の講習会も同じである。見ていて何とのんびりとした仕事だろうかと思う。

書物に残る江戸期の刀造りは、平均3日程9人役で一振りの刀を造っている。現在の玉鋼は硬くてもろいので、急に温度をかけたり、強く打つ事が出来無い、鍛伸性のない玉鋼に問題があり、やはり自家製鋼でなければ粘りのある玉鋼は出来無いので、受験が終われば、自家製玉鋼に戻さなければならない。

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