刀鍛冶の日々

解決

 脇差の焼入れに使用する焼刃土の配合の異なる土を弟子に使用させてみると全員が土落ちも無く焼入れが出来て良い刃文が入る。
 弟子達は山本君の備前焼の土を使用していたが私の使用する耐火度の高い、配合して長年寝かせた土を使用する事によって焼き入れ問題を解決する。
 思わぬ出来事であった。あと一日、全員が焼き入れ練習をして来週はもう一度積み沸しの練習から全工程の問題点を解決して全員合格へ持って行きたい。試験まであと30日となる。が、肩の荷が半分降りた気分である。
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総員10名、受験生5名の仕事を見ながら午後は長船と赤坂の二隊に別れ、石原君の火造りを赤坂で進める。
日暮れにやっと終わり帰宅。石原君が始めて自宅に来て泊まる。

彼も入門以来8年、なんとか合格させねばならない。2年前と違って技術も上達しているので落ち着いてすれば、合格出来ると思う。

悩む

4月13日に240俵入荷した炭が15日間で、在庫約60俵となる。毎日受験生がフル操業である。過去30年間で最高のペースであるが、その割に技術は伸びず。炭購入資金に昨日焼入れをした包丁2本を荒研ぎをして、鳴海君に任す。

受験生は焼入れ用の炭を切り、土置きをして午後は焼入れをするが、満足な焼入れが出来ない。毎日々炭ばかりが消費されて、煙に消えて行く、物心共に悩みは深い。

休日明け

焼入れをした脇差の姿直し、鍛冶研ぎが終わっているだろうと思ったが、今だ終わっていなく、少し気落ちする。
午後は新聞社の取材で、折り返し鍛錬に加えて包丁の焼入れ、昨日鍛えたものを谷口君が火造り、土置きをして最後の焼入れを私がして日本刀と同じ刃文にする。

取材でも砂鉄よりたたら製鉄で鋼を造り、世界で只一ヶ所の製作所であり、包丁の売り上げで弟子達の育成費として使用していること。5月末より5名が刀工試験を受験する事等を説明。来年受験者1名を残して今年でほぼ弟子育成を終わる。

復調

やっと体調も元に戻り、夜も寝る事が出来だしたが、用心の為に午前中のみ包丁用の鍛錬をする。
午後は友人の御見舞に岡山市内の病院にて3時間も久し振りに話し込む。体中の痛みは少し楽になるが、夕方より目が痛む。

部屋が明るいので電気を切ると幾分楽になる。午前中はガス溶接のメガネを付けて鍛えていたので大丈夫と思っていたが。明日から予定していた刀造りも連休明け位から始める事にして、もう少し目を休めよう。目の手術が上手に出来てなかったのではないだろうかと考える。

谷口君受験準備

平成23年度刀工受験者も順調に用意が進んでいるので、来年の受験者である谷口君の受験用意で、今日より鍛錬の練習を始める。

今迄3年間兄弟子の仕事を見て来て、やっと来年受験を迎える最後の弟子である。工業高校の金属材料課を卒業して、基礎が有って入門したので、知識も有り、手先も器用なので刀剣造りも短期間で習得できると思っている。
21才と若く仕事を覚えるのも早く、来年の受験は楽である。

阿部さんの仕事

朝から阿部さんの鍛錬、皮鉄と心鉄を合わせる造り込みは私がする。それを阿部さんが素延べして終了。
その後にたたら製鉄で出来た小粒の鋼を降し金にしてまとめる。

2年前の刀工受験は不合格であったが、最近は通院しながら腰痛治療、決められた作業時間内に仕事ができなかったが、最近は連日の特訓でピッチも技術も上がり、合格ラインに非常に近づいて来た。

受験迄あと40日あるので頑張って欲しい。伝習所5名の受験者中45才と最高年齢、故郷で待つ母上に合格の知らせを伝えたい。東北、九州から砂鉄が送られて来る。

救急車で

先月も無意識状態の行動があり、記憶が飛んでいた。今日も思い出せない、どの様にして鍛冶場を開け、仕事を始めたのか。
弟子がいつ来たのか、そして意識が遠のき、ろれつが廻らなくなり、弟子と供に脳外科に運ばれてCTスキャンで検査される。

昨年の6月より受験生の指導に明け暮れ、今年は週2日の休みには赤坂鍛錬所で刀造りの日々であり、疲れが相当積み重なっていたようである。

少し休みながら受験生の合格を目指したい。合格後は来春迄全員の刀造りの指導と忙しい。
そして来年6月の刀工試験に、最後の弟子谷口君の受験もあり、あと一年程は頑張らねばならない。

刀身仕立て

昨日と今日5名の受験者が焼入れの終わった脇差の荒研ぎ、中心仕立てに入り全員の技術を見る。
あと42日あるので、個人々は別途に指導が必要だが大体において、技術は上達した。

その合間に明日宗近君の指導に使う皮鉄と心鉄の下準備を済ます。全員一生懸命なので、なんとかその成果が出せれば良いのだが。

語る言葉なし

登録日、注文の太刀を登録、合わせて平田君と鳴海君の刀工申請を文化庁に出す。
五年間に渡る成果としての刀匠の資格が6月には下りるが、これからが出発であるので頑張って欲しい。午後には受験生の皮鉄と心鉄を組み合わす造り込み。

前回も大高君は温度を上げすぎて燃やす。再び同じ失敗である。自家製鉄は鍛伸性も強く、少々の温度ではくずれないが、日刀保玉鋼は砂鉄が粒状化したものがそのままくっ付いたようなもので、温度をかけ過ぎるとくずれやすい。

そんな事は6年間も弟子で居たら判っているものである。他の受験生は全員まとめている。鋼が沸く火花と燃える火花は違う。それが判らないと今さら言われても、語る言葉はないが、さりとてどうすれば良いのか迷う。

弟子の能力は各人が違っているが、それを同じレベルにするには親方の指導力以外に、本人の努力がいかにあるべきか、今一度胸に手を当てて考えてもらいたい。試験迄あと44日、2日前には文化庁より受験を認める旨の連絡有。

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