刀鍛冶の日々

玉鋼着

朝より刀の3口のせん、やすりかけ終了。全て無傷であり一安心、来週焼入れをしたい。
大高君より日刀保玉鋼が到着した旨の電話があり、長船鍛錬所へ出向き荷解きをするが試験用の二級玉鋼を見てびっくりする。
こんな悪い鋼で試験をするのか、人生一度の試験位は最高の一級玉鋼を使って試験をしろよ文化庁。

二年前大高君が受験して実技の前に使った事のない日刀保玉鋼の選別が出来なくて、実技を受験出来なくて、不合格となった時に、文化庁より良い玉鋼を選別して使わなければ良い刀は出来ませんと言われたので、日刀保玉鋼より伝習所の自家製玉鋼が分析しても質は良いと答えた。

日刀保玉鋼は高温の為に、土壁の中に有るアルミ酸化物であるアルミナが鋼の中に溶け込んでおり、鍛伸性も劣り粘りも少なく、焼入れ時に刃切れもおきやすく、効率性は良いが自家製鋼が実用性にも優れている。

ほとんどの刀工が日刀保玉鋼しか使用した事がないので比較出来なく、これだけが日本刀の素材であると思っている。刀工が自分で自家製鉄を行なって地金の研究をしてなければならない。

その手間と御金を惜しむがゆえに現代刀の範疇で終わり、肩書きを与えられてこれで良しと一人前の顔をして刀工受験者の審査員をする。
刀工試験は鋼の使用は日刀保玉鋼以外でも自由として、研ぎ上がった脇差で刀剣登録審査員が評価する事が必要である。

最近の刀工試験を受験者に聞くと皮鉄も心鉄も同じ鋼で硬軟もなく、焼入れをした脇差も過去の試験で姿直しをしていると、数本も硬い玉鋼の為に折れて接着剤で着けて写真を文化庁に出さなければならなかったので、完全な姿にしなくても曲がりを直せば、合格にしていると聞く。

この事がもし事実であれば文化庁も日刀保玉鋼の使用も、試験材料の材質も考え直さなければならないし、刀工試験自体にも大きな問題が生じる。
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あと二ヶ月

あまり使いたくない受験用の日刀保玉鋼を注文したが、今日も届かないので、テコ棒を鍛えて受験用に持参する用意をする。
そして刀の火造りを全員が見学、刀工試験迄二ヶ月となる。

目の痛み

昨日の火造りをした2口の刀に荒せんかけをして昼前に止める。右目の痛みが少なくなり、サングラスをはずしての仕事になると左目が非常に痛む、血糖値も下がって来たので、左目の手術を申し込むが、手術をしても痛みは消えぬと医師は言う。左目がぼやける。もう少し様子を見てみる事とする。


右目の痛みが消えて来たので、左目が悪化する前に仕事を進め、受験生を合格ライン迄持って行かねばならない。連日の無理な仕事で体中が痛むので午後は休みて寝る。

64才誕生日

2日前の焼入れをした2口の刀の姿直し、そして次の刀の火造りと夕方迄赤坂鍛錬所で、宗近君が見学。その後宗近君の脇差の火造り手直し、病院へ薬を取りに行くのも忘れて帰宅。

大好物のカニも宅急便で届く、ブログの日付を見て今日が64才の誕生日と気付く。
山深い四国山地で生を受けて64年間。その中で38年間に渡り刀を打ち続けられた事に感謝。

暖かい休日

天気も良く、来客多く忙しい一日。
 夕方よりは刀の火造りをして全員に見せる。弟子の道具を使う事になったので非常に難しい。来週は自分の道具を持参して見せなければならない。
 今日は暖かく昨日の朝の雪が嘘の様に思える。

3月砂鉄吹き完了

3月は今日迄に11回のたたら製鉄をして100㎏の鋼を造り5月末の刀工受験迄の弟子の練習用の材料を造る。弟子は連日の焼入れで大分疲れたようであるので明日には少しゆっくりさせて平田君に素延べ、火造りをさせたい。
 夜は赤坂鍛錬所で刀2本に土置きをして焼き入れ。本日も疲れた。この歳で1日13時間の仕事は体中が痛む。

再度焼入れ

昨日失敗の脇差を研ぎ直して土置きをして一度、二度と3人が焼入れをして夕方何とか3名共に合格点迄こぎつける。私と平田君で反り具合や曲がりを注意するが受験ではアドバイスが無いので今の状態では自力での合格は難しい。昨日に続き今日もたたら製鉄を続行して受験生の鋼を造る。明日の砂鉄吹きを合計すると3月は砂鉄500㎏を使用した事になる。毎夜テレビで東北関東の津波報道を遅くまで見るが何と悲しい事か。元気を出して早く立ち直って欲しい。

焼入れ

阿部、大高、菊池3名の受験生が火造り、土置き、焼入れをする。片方で明日のたたら製鉄に備えて、各地の砂鉄の選別、ブレンドをする。

しかし3人共に焼入れ温度が揃わずに失敗、明日も焼入れ練習。大震災の影響で岩手県の炭屋さんと連絡が取れず、県内産の炭入荷以外道はなくなる。東京では放射線汚染で子供が水を飲めないので水を20ℓ送る。

焼き戻し

昨日の焼入れした刀2口は刃文のおもしろみが有った、よくリズム感のとれた作であるが、気に入る人と気に入らない人がいるので、今朝もう一度考えて焼きを戻す。

もう少し万人向きでなければ売りにくいと思った。売る方と買う方が一致しなければならないので難しい。

脇差焼入れ

大高、菊池、金沢君が、セン・ヤスリかけ、土置き、日暮れ前全員8名で軽い食事を済まし、日が落ちてから順次焼入れ。残念ながら誰一人合格点には達せず。


明日より姿直し、焼戻しをして休み明けに再度焼入れの予定、残り火に砂鉄をかけて乾燥の用意をして、今日も12時間の仕事を終える。

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