刀鍛冶の日々

再たたら

先日秋山君の砂鉄吹きで歩留まりが悪かったので、同じ条件で再度吹くが、炉温度が上がらなくて9.5%の歩留まり。

これを弟子が交代で毎回鋼を切断して、1kgを練習用に与えるので親方は大変であるが、弟子がこの鋼で休日に包丁を造って鍛えの練習をするので、どうしても自家製鋼をして鋼代を安くせねばならない。
毎月炭が200俵もいるのは、50俵程がたたら製鉄で使用されるからである。
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弟子の仕事

先週焼入れをした脇差を研ぐが、刀身に深く残ったセンのキズのあとが手研ぎでは十分に消えない。刀匠の資格も取った弟子であるので、火造りの終わった刀身を平らにセンで削らすが、刀身全体に深いセンキズを付けていた。

信用してまかした仕事だけに深く考え込む。研師さんに円砥で押してもらわなければ治らないので、あきらめて中心の荒仕上げをして昼で仕事を止める。注文の脇差ではなく、試作の脇差であった事が救いである。午後は脇差の事で疲れて寝るが、最近は弟子による無責任な仕事が目立つ。本当に刀鍛冶になる気だろうかとも思われる。やる気のある弟子も居るのだが。

組合わせ

火床塗直し、炭切り完了、朝8時心鉄鍛え開始、弟子の休日なので、阿部、平田、菊池君が赤坂鍛錬所へ見学に訪れたので、刀の皮鉄と心鉄の組み合わせ、沸かし延べ迄を見せる。

夜中から蒸し暑く、朝は梅雨空でなく快晴であり、真夏並みの暑さでモーターを冷やしながら、鍛錬を進め、昼には下着迄汗にぬれる。午後は長船鍛錬所で秋山君がたたら製鉄を始めていたのでのぞく、午後2時30分迄砂鉄投入、3時30分炉を解体、鋼3kgを得る。ノロが炉にたまり鋼に還元せず、むつかしいものであるが最初はよしとせねばならぬ、長年刀鍛冶をしていても砂鉄吹きの出来ない者ばかりだから。

再開

雨も降り続いたが夕方迄見学者多し、当伝習所も発足当時、中学校の職場体験で当時中学校2年生だったO君が家族4人で来訪、今は県外で大学3年生であるとの事、幼き頃の面影が今だ残れり、非常になつかしく思えた。
自分の思う道を勧めて良かった。

朝から夕方迄来年刀工受験の大高、菊池、金沢、石原君の4人が交代で横座、向槌をこなしたので一日4人に付いての指導で疲れた。炭も底をつく。明日は別の炭焼きさんが赤坂鍛錬所へ、朝50俵(500kg)を納入してくれるので当面はしのげるが、早く注文の150俵が届く事が待ち遠しい。

砂鉄混合吹き

朝4時20分たたら炉に着火、弟子達は夜のアルバイトで疲れて寝ている。昼は刀鍛冶の修行、夜は生活費稼ぎの為10時迄アルバイト、最近の若者にしては珍しい程真面目である。

こんな若者を弟子にもてる事は幸せである。砂鉄を吹きながら包丁4本を研ぎ上げて炉を解体、思い通り3県3種の砂鉄で7kg余りの鋼を得る。炭素量も高く、粘りがあり最高の出来である。
この鋼は刀用にびちくに廻す。小粒の鋼は受験弟子の練習用に降し金に谷口君が吹く。作業が終わる頃雨は大降りで梅雨らしくなる。

宗近君鍛

午前中にたたら炉塗、砂鉄選別、炭切りをして明日の砂鉄吹きの準備を済ます。九州、中国、東北地方と成分を見て均等に配合する。

午後は炉が空いたので、宗近君が鍛錬を夕方迄する。沸かしの問題と砂鉄配合の問題が後半迄尾を引く。来週は鋼の炭素量の高い物を混ぜて鍛えなければ、それにして一ヶ月で丁度200俵の炭を消費する。
他の鍛冶のほぼ1年分が、弟子の練習の為になくなるも、最近は包丁の売れ行きも元に戻りつつあるので、赤字も少なくなって来たので助かる。

皮鉄鍛錬終了

期待に反して雨が降らないので、鍛冶場に早く出て下鍛を終わる。上鍛は来週と思ったが雨の降る保証はないので一気に上鍛えも済ます。
外は曇空から太陽が出て暑くなるも室温は40℃に達していないが、下着迄汗にまみれ食事に帰るのに車のクーラーがきかないので、車屋に持ち込むとクーラーのベルトが切れていた。修理中に弟子から電話があり、砂鉄1トンが到着したとの事。
鍛えの反射熱で体の芯迄焼け、しんどいので4時帰宅、毎朝隣家が出る時に出勤するので、自動車音で目が覚めて眠れないので頭痛続きである。

金屋子神社参拝

午前11時金屋子神社着、岡山県、鳥取県、島根県と中国山地はうっそうと緑がしげる。車外は30℃を越している。余りの暑さに雨傘をさして参拝、今月も月参りが出来た事に感謝、帰り道に山中の谷川に砂鉄は見えず、それなら河口で浜砂鉄をと思い二ヶ所の河口を歩くが、砂鉄はなく日本海に流れ着いた浮玉を記念に持ち帰る。

走行400km、明日は午前中の梅雨前線により、雨で涼しくなるので刀の鍛錬の続行予定、ここ迄外気温が高くなると体力的に鍛錬はこたえる。今年は岡山は空梅雨になるのではないかと心配になる。

脇差焼入れ、刀鍛錬

長船伝習所は今日より3日間休みにして自主作業とする。
赤坂鍛錬所に宗近君が来たので、平身の脇差に土置きをして焼入れをして見せる。刃文は良く出来ているが、一箇所ふくれらしき所があるので、後日ゆっくりと研いで見たい。

昼迄樫の木の炭で折り返し鍛錬を7回程して、炭の火力を比較さす。江戸時代迄松炭の手に入らない地方では、きっと松炭と同程度の火力の炭で仕事をしていたのではないだろうか、それが鍛肌に関係がある事は、包丁の鍛え肌によって判明しているが、刀ではどうなるだろうか。

受験生の練習

朝5時20分点火、練習を兼ねて弟子に砂鉄吹きをまかす。今日は10人の弟子中4人が受験に備えて、朝から夕方迄折り返し鍛錬を、昨日のたたら製鉄で造った鋼を使っての古式鍛錬だったので、一日目が離せなく他の弟子の仕事は合間に見る程度。

大雨なのに午後は御客さんも多く包丁もよく売れ、炭代も出る。

しかし来年の受験生で合格の可能性がある者は只一人である。来年迄になんとかせねばならない。

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