刀鍛冶の日々

原因は

先回よりも鋼は多くとれるが、炉底部に砂鉄の半溶解状のスラグが多く積もる。この様な時は必ず鋼の歩留まりは悪い。

一体何が悪いのか、砂鉄に原因があるのか、予熱温度が低いのか、それとも炉の土に原因があるのか、この3点の中に必ず原因がある。今の多量の在庫の砂鉄を使用し続ける限り、解決しなければならない問題点である。
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たたら準備

鳴海君、平田君が脇差の土置き、ふいごでの焼入れをして試験本番に備えている。大高君、谷口君がたたらの炭切、菊池君と二人でたたら炉を取材に備えて塗り直す。明日のたたら製鉄で不足する受験生の鋼造りに再挑戦の予定。

秋山君は私の焼入れをした出羽包丁を一日かけて研ぎ上げる。夕方迄それぞれに多忙である。


「雨止まず 雨音聞きて 長き日を 鍛冶場に過ごす 楽しき時を」

大失敗

赤坂鍛錬所で脇差を鍛えている間に弟子にたたら炉を塗らし、予熱をかけさしていたので、朝から砂鉄を投入するが、炉が平行になっていなく、位置もずれている。弟子も数年にたたらをしているのでまかしていた。おそらく炉の中も丁寧に塗っていなかったであろう。

ノロも出なく途中で中止しようと思ったが、夕方迄続行。前回と同じ砂鉄量、炭の量を使って鋼の目方は半分、質も悪い。大失敗である。二度と弟子にはたたらの炉はまかせない。今夜は眠る事が出来ないであろう。

脇差下鍛完

朝一番に火床を塗り直したが。予熱が少なかったのか3分割めの沸かしが少し甘かった気がしたが、終えて4分割めの沸かしを昼に終える。

午後は下鍛えの4分割をまとめて2分割にして鍛える。やはり下鍛え3分割めの鋼に少しふくれ(空気入り)が出て、3回も4回も沸かし直し。精根疲れはてる。

前回も下鍛えのふくれが多く、脇差がつぶしになった事を思い出して、上鍛え2回をすまして今日は中止とする。やはり砂鉄の種類を多くすると、どうしてもふくれが多く出る。むつかしいものである。

脇差鍛始

7kgの鋼を四分割して鍛始める。先日240俵の炭も入り安心して仕事が出来るようになり、岩手県産の力のある松炭に対して、岡山県産のゆるやかな沸かしの出来る松炭を混合して鍛える。

沸かしの力が弱いので鋼の減り方も少ない、夕方迄に2分割分を積み沸かし、5回鍛えて、3分割分を積み沸かす。ゆっくりと落ち着いて良い鍛えをしたい。

仕事帰りに旧宅で妻がまとめた引越し荷物をジープに乗せて帰る。暇な時の引越しなのでもう3ヶ月になる。住み慣れた家も妻の為についに落城せざるをえない。愛着のある家である。

金屋子神社参拝

今日から3日間は赤坂鍛錬所で、脇差の鍛錬の予定であったが、山陰地方も春の天気なので、月参りの参拝に出かける。明日からの脇差の良い作品が造れる事を願っての参拝。

人間いくら一生懸命頑張っても、自分の持っている能力には限界がある。その限界以上の事を祈る。雪も15センチから30センチは積もり、寒さが身にしみる。心身共に緊張して感謝の気持ちと願い事を祈る。

この数分間の為に400kmの道を通う。祈れば必ず願いは通ずる。通じないのは自分の努力不足である。


「奥出雲 社は白く 包まれて 柏手のみが 響き渡る」

「残雪を 踏みしめながら 柏手を 赤き誠を 祈りてやまむ」

頭痛続く

2日間も眠る事が出来なく頭が割れる思いが続く、秋山君は刀造り、他の弟子は脇差造りとそれぞれに仕事は進む、日中寝る事が出来れば楽であるが、弟子全体の仕事を見なければならずつらい。

夜になれば廻りが静かになれば、金属音の耳鳴りがして眠れず病院に行っても治す薬は無い、これ以上進行しない為の薬であるとの事。
長年鉄を打つ音で耳に無理がいったようである。
今夜は眠りたいものである。

刀の鋼造り

疲れはて応接イスに横たわる。今朝6時45分炉に火を入れる。前夜の予熱もよく、炉は音を立てて燃え上がり、砂鉄が粒状となり、次々と落ちて炉低に夜の星座のようにきらめく。

昼には菊池君の御母さんと妹さんが、埼玉県より来場、入門以来の技術の上達を横座に入り、向槌3人を使って折り返し鍛錬、包丁の焼入れと見て頂く。

夕方42kgの砂鉄の投入を終わり、炉を解体すると9.6kgの玉鋼がとれる。これで秋山君の刀製作の鋼が出来る。昼間弟子が切った松炭4俵を赤坂鍛錬所に運び、砂鉄50kgを持ち帰るとそのまま横たわる。一日続くたたら製鉄は休む時間がないので、最近は非常に疲れる。

母、来る。 菊池

四国香川旅行のついでにと伝習所へ母と妹がやってきました。
親方のはからいで、母に古式の折り返し鍛錬と包丁の焼き入れを観てもらいました。少し失敗もありましたが、概ねうまくいって良かったです。

お昼を親方と私、母、妹四人で食べたのですが、いつもの伝習所風景に母と妹が居るのは何だか不思議な感じでした。
親方や諸先輩方には当日朝から準備や段取り等で気を使っていただき、大変嬉しかったです。順当にいけば来年、刀工試験が受けられるので、何としても技術を磨いて試験に合格しなければと気持ちに拍車がかかった一日でありました。遠路はるばるありがとう。

脇差準備

先週のたたら吹きの鋼を切断してあったので、朝から降し金、午後は1kgに小分けして沸かし伸べで500gの短冊型の長方形に伸ばす。1日で松炭70kgを使う。夕方には少し疲れたが、仕上がり来週にはなんとか積み沸かして鍛錬に入れる。
一人で思う様に出来るので気分が楽である。
疲れも心地い。日刀保の玉鋼ですれば下仕事は非常に楽であるが、自家製鉄は積み沸かし迄手間がかかる分楽しく感ずる。

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