刀鍛冶の日々

伝達

文化庁より連絡事項で、弟子3名が平成21年度の刀匠受講者に決定する。5月26日よりの受験に備えて梃棒の製作、炭切用のナタ造りを暑い中続行。
同時期に入門しながら個人の器用、不器用そして努力により個人差が着く。年に一度の試験で人生は明暗を分ける。

しかし刀匠の許可を受けても、刀が不必要な次代に刀工として生活をする事が出来るのか?それには日本の文化伝統を守る強い意志と、日々努力工夫なくしては刀工を続ける事が出来ない。全員疲れたので、明日は休日にしれ連休後半を迎えたい。
スポンサーサイト

昭和天皇誕生日

朝より一日晴、青空に日ノ丸はためく休日のせいで県外車多し、故障していたふいごも修理できて、5月の刀工受験者が横座でふいごを吹き、向槌を使って古式鍛錬をする。飛び散る火花に皆さんは感激する。

昨日迄と違って、今日は暖かく心も軽き弟子の仕事も順調に進む、やはり若い事はいい事だ。もう一度青春時代に帰りたいものである。

休日

毎日7人~10人が忙しく仕事をして、刀工試験準備もなんとか出来る。
一週間の疲れをとりの為全員休日、静かな鍛冶場で一人してのんびりと今迄造っていた包丁を研ぐ。

そしてやっと来月は受験月、これで何人かは手が離れる事になり、少しは楽になる。多量の炭・鉄そして弟子にかける時間、今年で峠は越えた。あと5人を卒業させれば一段落。自分の仕事が早くしたいものである。

鍛えの練習 平田

今迄包丁の練習で1.2kg前後の鉄の鍛えの練習をしていましたが、今日は量を倍にして量的には刀の下鍛えと同じ量の沸かしの練習をさせてもらいました。

鉄が大きく、なれるまで大変でしたが、今までの包丁の練習のおかげで、うまくまとめることができました。包丁は鍛え、火造り、焼入れなど全ての基本になるとあらためて実感しました。

平田君2kg玉鋼鍛

最近の平田君の包丁用の鋼は1.2kg程を鍛えても沸かしが上手になり、キズが出る事がなくなった。平田君の努力と工夫のたまものである。

当伝習所に入門して3年が過ぎ、4年目に入ったので、鋼を刀と同様2kg余の大きなものにして今日よりは刀を鍛える練習に入る。鋼の大きさが今迄の倍となったので、これから悪戦苦闘の日々が続くが、これを乗り切らなければ刀も脇差も造る事が出来ない、今日より刀鍛冶への第一歩が始まる。

島根鳥取たたら紀行 菊池

 『菊池君はまだ金屋子神社に行った事がないだろう』と親方に誘われて島根、鳥取へと連れて行ってもらえる事となった。谷口君も一緒に行くはずだったが彼はアルバイトがあった為、今回は見送り。
 親方、鳴海さん、平田さん、私、菊池の四人でまずは奥出雲にある《奥出雲たたらと刀剣館》へと向かった。入り口にあるヤマタノオロチをあしらったオブジェを横目に刀剣館へ。

そこでもっとも目を引いたのは実物大のたたら地下構造切断模型でした。
たたらを行う為には地面からの湿気を完全に絶たなければならないそうでそのためにたたらの炉の地下には、炉、自体より大きな湿気除去のための仕掛けが隠れています。その知恵と技術とに感服する思いでした。

 その後、待望の金屋子神社へ。日本全国の鍛冶屋さんや製鉄業に携わる人々の信仰を集める金屋子様の総本山である出雲の金屋子神社。
島根にある由緒正しい神社は他所の有名な神社などと比べてごてごてとした飾りっ気などはない。それでいて重鎮たる凛とした雰囲気を醸し出している。周囲の山々の木々と溶け合っていて自然とそこに生えていた、ような感覚。
私はそういう感覚が大好きです。

 お昼になったので市内の定食屋さんへ。ここは親方お勧めのお店で一同、その日の定食、サバ味噌定食を食す。
とても上品な味付けで一品一品がとても丁寧に作られていて町の定食屋さんというよりはどこか料亭の御膳といった風な逸品でした。
美味い飯に舌鼓を打った後は安来市にある《和鋼(わこう)博物館》へ。
ここでは製鉄を行う為の作業が一から十まで模型で判りやすく説明されています。
古代たたら製鉄から近代の西洋製鉄、そして現代の製鉄まで流れるように展示されていました。そこから売店まで行くと成る程、ヤスキハガネの包丁が欲しくなる。なかなか巧いやり方だな、と感心してしまいました。

先日から玉鋼の介在物である数種の元素(チタン、クロム、タングステン、ニッケル、モリブデン…etc)について色々と私達の間で物議を醸していましたがその説明も展示してありとても参考になりました。《川島忠善 日本刀展》が開催されており、
多数の作品を見ることが出来ました。

菖蒲造りに似た剣や、幅広の矛など変わった作品があり面白かったです。
また戦前、戦中の作品を見ると地金の色が今と全く異なっており、地金は場所、時代によって異なるというのが今回、良く判りました。
売店で愛用の砥石を見つけ購入。天然の仕上げ用合砥、これも値段とにらめっこして購入。

良い砥石は高いのです。さて、実戦投入して使えるでしょうか。楽しみです。
 最後に米子の海岸へ行って日本海を見ました。海は大荒れで遥か波打ち際のテトラポットに当たって砕けた大波のしぶきが道路際の防波堤まで散ってきます。
波打ち際からすぐ先は深くなっており、戻る波がすごい勢いで沈んでいきます。
私の良く知る神奈川、葉山辺りの海とはかなり勝手が違い、波に引き込まれたら生きて上がってこられないのでは…と思えるような恐怖感がありました。

 帰り道、親方のお勧めの焼き鳥の店でから揚げをご馳走になって帰ってきました。
この鶏肉がまたすごく美味しかったです。
 機会があればまた行きたいです。

 
CA390029.jpg

 

続きを読む »

山城国玉鋼包丁焼入れ

鳴海が包丁の火造りをした包丁に私が土置きをして焼入れる。
鍛錬回数6回の地金であるが、よく鍛肌積み、地には小まかい沸が全体にこぼれ、刃境には匂いを敷き刃迄沸が着き、非常に面白い出来である。焼入れした時刃は真っ白くはぜ、硬いかなと思い荒研ぎをしてみるが柔らかい、不思議な玉鋼である。

平田君が降ろし金をして鋼を造る。良くまとまった鋼、もう降し金も弟子に追いつかれた。鍛冶屋は自ら鋼を造る事が出来なければならない。

山城砂鉄試作

先日の玉鋼分析で、自家製玉鋼の優秀さが判明したが、山城砂鉄の玉鋼は分析中であるが、一足早く包丁の製作でテストピースとする。

朝より昼迄かけて鍛錬、非常に鍛接の良い玉鋼である。素伸べして切先を切って焼入れ、感度は良い。明日は火造って、焼入れてみたい。

午後は夕方迄試験を控えた大高君の反り付けを見るが、一向に出来ず炭だけが無くなる。暑くなったので仕事着も夏用とする。夕方は鳴海君の見つけた砥石を全員で買いに行く。

大祭

金屋子神社春の大祭、中国山地の山々の青葉、若葉が目にしみる。
参拝する事によって新たな決意と目標が出来、それに立ち向かう精神力が湧き出る。走行時間7時間、400kmを走行して日暮れで帰る。

日本刀の科学

今日は早く仕事を切り上げ、先日鉄工学専門の方により私の自家製玉鋼の成分、分析等および関係資料に目を通す。

通常刀工は、長年の経験を元に刀を造る。しかし後から付いて来た科学により、順次日本刀が科学の目によって明らかになりつつある現代、決して刀工は科学を否定できない。

自分の経験の裏打ちである科学により、刀造りが進められる。そして何よりも自分の鋼の成分が、現代大手鉄工メーカーにより造られ、全国の刀工の使用する玉鋼の成分より勝っているのか、劣っているかを知り、又古い時代の日本刀の成分を知り、科学的、経験的にどのようにして古刀に近づくのか「特に鎌倉時代」

全国の刀工が古刀再現を口にするが、刃文だけの再現でなく、やはり日本刀は地金(玉鋼)の再現をする事により、全てが解決するのではないか、老骨にムチ打ちながら「たたら製鉄」を続け、あとは若い弟子にバトンタッチをしなければならない。

 | HOME |  »

FC2Ad

プロフィール

上田

Author:上田
FC2ブログへようこそ!

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

訪問者