刀鍛冶の日々

包丁押型

 某所より海外シェフ用に包丁製作を頼まれているが、外人が使用するなら、やはり外人向けの包丁でなければ売れないと思うので、某包丁製作所を県外に訪ね、外國輸出用の包丁を沢山見せて頂き、サンプルを購入する。
 私が造っている日本刀包丁は日本人向けであり、日本の牛刀型は外國人シェフには不向きな事が判る。長船包丁店には海外輸出の話が数件有るが、どの業者も現地調査はされていなく、輸出すれば売れると思っている様にも思われる。海外から来所してサンプルは買って帰るが、後が続かない。
 朝早く出て、夜帰るが勉強になった一日である。
 
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梅雨明け

 朝より同郷の刀剣商が来所して、暫し話し込む。その後整体師の治療。首と肩の痛みは1年程前から無くなるが、親指の痺れは今だ残るので、字が元の様に書きにくいものの作刀には影響なし。
 昨日迄の蒸し暑さは無くなるが、気温が上がるので刀製作と包丁製作を交互にして、体力の保持に努めたい。
 今だ弟子入門は決定していないが、その時に備えて今年の夏からは仕事量は半分にする。
 弟子二人の独立はもうすぐであるが、独立してからの苦難も知っているので、もう少し元気で見守りたい。刀工資格だけで独立出来ず、辞めて行く者を見送るのは胸が痛む。

熱中症の心配

 特注の包丁が入ったので、作業変更で鋼の鍛錬に入る。刀用の炭素量が高い鋼なので包丁用には硬く、折り返し回数を多くして脱炭さす。
 作業中頭が痛く、気持ちが悪くなり少しふらつく。年を経たのでこの暑さに耐えられなく、このまま折り返し鍛錬を続ければ熱中症で倒れるかも知れないと思い、9時30分中止。湿度が高く汗は流れ、シャツもズボンも川に飛び込んだ様である。
 包丁用は鍛錬回数が少ないので、炭素量が低い鋼が良く、刀は鍛錬回数が多いので、炭素量の高い鋼が良い。どちらも同じ砂鉄からの鋼で有り、炭素量により、包丁用と刀用に分けるのである。
少し休憩して明日の炭を切り終る。

見学の日

 山本君の刀身、中心仕立て、宗近君の短刀、素延べ、火造りを椅子に腰掛けて見学。仕事の一区切り毎にチェックして、悪い所を指摘して修正の繰り返しの一日を過ごす。刀工の許可を取っても、刀工で生活が成り立たないので、サラリーマンをしながらの日曜鍛冶を全員が続けている。
 そんな中でも専業の刀工を目指し、菊池君が鍛錬所を建設中。岡山県内でも金沢君が建設場所をやっと決める。少しでも専業の刀工に近づきつつある。伝習所を出た誰かが独立して、又弟子を育てないと日本の伝統文化は滅びる。40年近く弟子を育てたが、鍛冶場を建て専業の刀工で生活出来ると思われる者は2~3名が限度ではないかと思われる。
 独立して刀の注文が無ければ、私の様に砂鉄から玉鋼を造り、日本刀包丁を造れば実用品なので売れる。刀の注文が有る迄は、実験を兼ねた包丁造りで何とか凌いで刀工を続けて欲しい。
 私も目の痛みも、首からの右手の痺れも和らいたので、後に続く弟子をもう少し育てたいと思っている。

建築場決まる

 県内の弟子、金沢君の鍛冶場建設土地がやっと決まる。家を建てるには建築法があり、指定地以外でないと鍛錬所建築が出来なく、場所探しに2年程を要した。
 土地は沢山有るが、住宅地に指定された場所は駄目であり、工業地帯でないと直に建設は出来なく、小さな面積では販売されず、山の中でも自由に建設は出来なく、苦労をした土地探しであった。
 刀工許可を取っても、鍛冶場を建て独立しなければ、専業の刀工を続ける事が出来ない。土地も180坪有り、申し分なし。
 菊池君に続き、来春頃鍛冶場は出来る予定で、伝習所には明るいニュースである。
 今日は刀の焼入れも終わり、来週からは予備の刀造りに入る。暑いので熱中症にならない程度の作業を続ける。

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