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刀鍛冶の日々

火造り

 慎重に鎚を打ちながらクラックを見つけて削り取りながら昼迄かけて打ち、ベルトサンダーで黒皮を削り取り、今の所クラックは全て取り切った。
 午後は来客も有り、2時を過ぎてから日が暮れる迄、最後4本目の短刀6回迄折り返し鍛錬を終える。
 両足の踵裏と両手の関節が痛み、既に変形もして腫れている。どうやら限界に近ずいたので明日は休日にして、温泉へ出掛ける予定。
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五分と五分

 前回の短刀は多くの鋼を混ぜたので、15回の折り返し鍛錬。
 今回の赤目砂鉄の鋼は単一なので、4キロの鋼を10回の折り返しで止めて鍛肌を出す予定で、10回でU型にまくり仮付けをした折1ヶ所膨れが出たので、泥沸かしの温度を少し高目にすると、刀身にしなえ(ひび割れ)が出る。赤目砂鉄なので炭素量が高過ぎて、しなえが出たものである。
 午後はしなえをグラインダーで削りながら素延べを4時間も続ける。削って無くなったと思っても、赤く800度位に焼くと再び割れが出て削る。延ばせば他方に又割れが出て削る。
 本当に疲れるが、貴重な鋼なので根気よく続ける。まだ割れは出る恐れが有るので、重ねと身幅は多目に残す。
 短刀になるか、切断になるかは半々である。

鍛錬用意

 火床を塗り替えて短刀二口の火造りを終える。
 午後は20キロの降し金をして、昨日の赤目砂鉄の玉鋼を梃付けをし、纏めた所で羽口が駄目になる。
 4キロの鋼を5回に分けて降し金にしたが、出来た鋼が大きく炉壁と羽口に付き、再度塗り直し明日からの鍛錬用の炭を切る。
 短刀の注文は二口であるが、予備に後二口鍛える予定。

休日

 疲れたので今日を休日とした。朝歩く予定であったが、体中が痛み結局昼迄寝る。
 午後は読書。3日前、夜中迄かけて「日本2600年史」を読み終えたので、別の本を読み始める。岡山市で「古事記」の勉強会の折、今は読む時が無いが本を買って置けば暇な時に読めると思い、時折買った本が有り、今その本を読んでいる。
 本は日本精神を表す國体の本や、それに関する義挙の事。江戸期より明治維新、そして大東亜戦争迄に関する書である。民族の魂を打つ刀工が日本歴史、日本精神を学ばずして打つ刀は、作家が造る美術刀剣にして実戦には役立たない単なる美術品である。
 昨年一名が鍛冶場を建て独立し、今年は二名が鍛冶場を建て独立したが、皆「折れず・曲がらず・良く斬れる」日本刀造りに取り組んでいる。その様な鋼が無いので自分で造るしかない。厳しい前途なので、私も元気でもう少し長生きをしなければならず、こうして休日を取る事にした。
 注文は多いが、無理はしないで時折は書物を読み、人間性を高める事も必要かと思う。

赤目砂鉄

 朝、予熱に庭の樹木を乾燥させた木で30分予熱。以後3時間に亘り、砂鉄と雑炭一級の投入を続ける。
 20キロの砂鉄で10キロの玉鋼が取れる。切断の時、真砂砂鉄よりは少し銑気が多いと思われる。
 どうして50%の歩留りで砂鉄の半分が鋼になるのか?それは砂鉄の中の鉄分が多いからである。日刀保玉鋼の入手地は知らないが、真砂砂鉄使用なので歩留りは30%位である。砂鉄の中の鉄分は産地によって違っている。
 私が数年前90%の鉄分を含んだ砂鉄も有ると言ったら、日立金属でたたら製鉄に関わる人間が「そんな砂鉄は無い」と言ったが、50%の歩留りの鋼を造るには日刀保砂鉄の様に、鉄分の少ない砂鉄では歩留りは悪い。
 私も全國の砂鉄の分析表を持って操業を行い、全國の砂鉄使用経験の回数は多い。ちなみに炉内に出来た玉鋼の表面温度は1378度。流れ出る鉱滓は800度。真砂砂鉄では値が違って来る。一番問題なのは、鋼の中にアルミナが含まれず鍛伸性が有る事で、金属顕微鏡1000倍で見て、組織がマルテンサイトだらけの玉鋼は実用に適さない物である。
 午後は読書で体を休める。

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