刀鍛冶の日々

日々の雑感

連日の砂鉄吹きで疲れたので、割れた鍛錬所のガラスの入れ替えを行ったり、弟子の火造りを見る。午後は平田君が平井さんの折り返し鍛錬を指導しているのを見学者の方に見て頂く。中国にはない技術を見てどう感じたのであろうか。

昨日に続き、県外からユーチューブを見て見学に来所頂く。目が痛みサングラスをしないと作業が出来無い。早く手術をして目の痛みを取り去りたいものである。44年前の同期の友も大病を患い、なんとか一命を取り留めた便り。もう少し頑張りたい旨、私も同じである、弟子達の為少しでも頑張りたい。


十歳にして死する者は十歳中自ら四時あり。二十は自ら二十の四時あり。三十は自ら三十の四時があり、五十、百は自ら五十百の四時あり。すでに天命は知っているが、息の続く限りは槌を打ち続けたい。

再度焼入れ

朝9時に散瞳検査に行き、他の検査等も有り、目は5〜6時間眩しくて今日は仕事にならないので、早朝より鍛冶場へ行ったり乾いた砂鉄をしまい、水分・塩分で濡れた砂鉄をシートに広げて天日に乾かす用意をする。

午後は刀に土置き、日暮れには焼入れ。半月もかけて造った刀がわずか10分程の焼入れ時間で、刀が世の中に出るか出ないかが決まる一瞬はいつも緊張する。

今回の刀も一度焼入れをして研いでいる途中に、刃文が一箇所気になり迷ったが、このまま世に出すとどうしても思いが残るので、昨日焼戻しをして今日再度焼入れをする。明日研いで見る事にして帰宅。

今日は午後は休む予定であったが、生来の働き好きでどうしても休むことが出来無い。目の手術をすると1ヶ月程は仕事が出来無いので、少しでも進めておきたい。

勉強会

今日も早朝より砂鉄吹き、本当に疲れる。今日は勉強会で県境の町へ行く。吉田松陰の留魂録を拝読。幕末維新に活躍した者達の多くは、陽明学を学び、自らの言葉と行動を一にした。

それらの生き方、思想を学ぶ事も勉強会に出席する若い方々には血となり、肉となる。勉強出来るのは中学生や高校生で、その時先人の生き方を学び、人生の過ごし方を学ぶのである。

今日もたたら製鉄

朝6時30分たたら炉着火、午後2時炉解体、先日と同じ砂鉄の組み合わせ配合であったので、出来た鋼も同じ出来である。

二日も続けると流石に疲れるが、目の手術が一ヶ月後にせまり、弟子の使う鋼や注文の包丁製作や伝習所に見学に来て、玉鋼製包丁を求める御客さんの為にストックを造って置かなければならないので、明日も砂鉄を吹かなければならない。

火を見るので白内障の目は痛むが、1ヶ月間は仕事を休むので準備も忙しい。

砂鉄配合

一種類だけの砂鉄では出来た鋼に炭素量が多く、折り返し鍛錬がむつかしいので、多少チタンの含有率が多いが、カルシウムを多く混入してスラグの混入が少なく、炭素量が高くても粘りのある鋼を目指す。

砂鉄を半分近く投入した所に、岩手県の広葉樹の炭が入荷したので早速使用すると、流れ出るスラグの温度が1300℃から1400℃迄上がり、スラグの出も良く炉を解体してもよくまとまり、スラグが全んど混入していない鋼が出来る。カルシウムの混合と火力のある炭の為と思われる。

夕方には今日と同じ砂鉄配合をして帰宅。明日も同じような玉鋼が出来れば良いのだが、今一度砂鉄の分析表に目を通す。

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